第四十一話 夜の熱気その十四
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「というか凄く大阪的か」
「庶民的、ですね」
「ああ、そう思うよ」
桜にも答える。
「他の大阪名物と同じで」
「大阪の食べもの、名物は全部そうですね」
「皆食ってるもんばかりでさ」
「きつねうどんもですね」
「たこ焼きでもお好み焼きでもな」
勿論串カツもだ。
「全部な」
「まさに庶民的ですね」
「それが大阪なんだな」
「下町と言われる場所も多くて」
「それがまた、なんだな」
「そうした食べものを形成しているのでしょう」
桜は微笑みそのうえで薊にこうも話した。
「ですから」
「だよな、じゃあきつねうどん食って」
「そしてそうした天麩羅も」
「食うか」
「そうしましょう」
桜も楽しみにしている顔だった、大店の娘として裕福な生活をしている彼女だがそれでもだ。そうしたものを馬鹿にするところはなかった。
鈴蘭もだ、薊にこんなことを言った。
「大阪はまさに何処でもよ」
「食い倒れだな」
「食べて食べてそうしてね」
「倒れるまでだな」
「食べる街なのよ」
「それが大阪なんだな」
「神戸もまずくはないけれどね」
その食べものがだ。
「むしろ美味しいけれど」
「大阪はまた別格だな」
「そうなのよ」
「その通りだな、大阪最高だよ」
薊も満面の笑みで言う。
「横須賀、神戸と並んで最高の街だよ」
「東京は」
「あそこは正直どうでもいいな」
黒蘭の問いにはこう返した、あっさりと。
「あたし神奈川県民だったから」
「時々行っていたのよね」
「それでもさ、また違うんだよ」
「神奈川とは」
「もう全然愛想がなくてさ、冬なんか寒いんだよ」
こう言うのだった。
「妙に」
「からっ風のせいで」
「そうだろうな、それに食いものも高いし」
「色々な場所があって面白いんじゃ」
「あまりそうは思わなかったな」
薊自身はというのだ。
「別に」
「そうだったのね」
「正直住みにくい街だと思うぜ」
例え賑わっていてもというのだ。
「あそこは」
「ではあそこで住むことは」
「あまり考えられないな、横須賀は別だけれどさ」
故郷と言っていいこの街は別だった。
「まあ横須賀は週末の夜騒がしいけれど」
「暴走族ね」
「いるからな」
それが問題だというのだ。
「あの辺りのまあ。特徴か」
「地域的特徴ね」
「関西じゃ殆どいないけれどさ、もう」
確かにかなり減った、かつては日本全国にいたが。
「広島じゃどうか知らないけれどな」
「何でそこで広島なの?」
向日葵は目を瞬かせて薊の今の言葉に問うた。
「あそこに何かあるの?」
「いや、広島を舞台とした暴走族の漫画あるからさ」
「それでなの」
「あの漫画が凄くて」
それでとだ、薊は向日葵に説明した
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