第29話 気の強い女子ほど意外なものに弱い
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、ううん、何でもないよ!」
すごく不自然な会話になったが
ホークアイは深追いして来なかった。
「‥‥‥‥そうか、みんなが向こうで待ってるから
なるべく急いで来いよ?」
そう言って、さっき来た茂みを戻って行った。
それを二人で見送ると同時に息をついた。
「火傷の件はまたいつか、みんなの前で話すことにする」
「‥‥‥‥‥‥‥うん」
マリーは思いっきり肩を落としていた。
完全にしょげてしまったようだ。
「ごめんね‥‥‥‥‥‥」
頭がさらに沈んだ。彼女は少し素直すぎる。
特に相手に悪いことをしたと思った時の反応がひどい。
その時の悲しそうな顔を見ると、心が痛む。
「‥‥‥別に怒ってるわけじゃない」
本当だ。怒りの感情は全くない。
ただ、恥ずかしいに似た感情が出てしまっただけだ。
それに全員の前で話した方が、まだ気が楽だ。
秘密って物は抱えたままでいると意外と疲れる。
出来れば必要最低限の事しか話したくはなかったが
ここまで馴染んでしまうと、話さないわけにもいかないだろう。
「さぁ、行こうぜ。みんなが待ってる」
俺はようやくコツを掴んだ、痛みの少ない立ち上がり方で腰を上げ
ゆっくりと茂みをかき分けて全員と合流しようとした。
だが、マリーは座り込んでしょげたままだった。
「‥‥‥‥‥行こうぜ」
俺はマリーに笑顔を与えた。
笑顔というのは意外と難しいものだった。
だが、下手でも良い。もらった物は少し増やして返す。
彼女の笑顔が俺の心を少しずつ癒してくれた。
だから俺も、少しずつ笑顔を返したい。
「‥‥‥うん♪」
マリーに俺の気持ちが伝わったのか
再び眩しいほどの笑顔をくれた。
また渡された。いつか全て返せるのだろうか?
そう思いながら二人で全員の待つ場所へと向かって行った。
**********
「そう言えばよぉ」
ホークアイが俺を背負って歩きながら話しかけた。
「お前って結構軽いな」
「‥‥‥‥‥‥」
これは女として嬉しむべき事なのだろうか。
それとも、悲しむべき事なのだろうか。
今まで死にもの狂いで身体を鍛えてきたというのに。
「まぁ、ウチは全員が重いからなぁ」
アスラやリオさんは鍛えられてて重そうだ。
特に迅さんは思った以上に鍛錬されているのだろう。
そして、それが今の戦闘力を生んでいるのだろう。
だが、マリーはどうなのだろうか。
「私そんなに重くないもんっ!」
「ハッハッハッ♪ゴメンゴメン」
ホークアイは頬を膨らませているマリーに笑いながら謝った。
本人が言うからには、おそらく今のはホークアイの冗談なのだろう。
失礼な事を言われても頬
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