第29話 気の強い女子ほど意外なものに弱い
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「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
俺はジェーン。アスラ達の旅にワケありで同行している。
「そろそろ包帯とりかえよっか」
今話しかけてきたのはマリー。俺になついている。
とても優しい性格で、俺の包帯を毎回かえてくれる。
「わぁ、ケガ治って来てるねぇ」
全身数十ヶ所の傷はここ数日の間に塞がっていた。
元々、かすり傷みたいなものだったのだが。
「でも‥‥‥お腹は治らないね」
問題はそう、腹部の状態である。
単純な右ストレート一発を打ち込まれたものだが
それにより″鎧骨格″は粉々になり
内臓も相当のダメージを受け、今もほぼ紫色だ。
自分の腹とはとても思えないほど変色している。
「‥‥‥‥っ!」
「え!大丈夫っ!?」
包帯を巻き直していたマリーが慌てて訊いてきた。
彼女を少し驚かせてしまったようだ。
少し心配性すぎるのが彼女の短所だ。
常に痛いので、たまに声に出てしまうだけだった。
「あぁ、大丈夫だ」
「そっか、良かった‥‥‥」
マリーは胸を撫で下ろした。
突然だが、少し疑問が浮かんだので訊いてみた。
「なぁ、マリー」
「ん、なぁに?ジェーンちゃん」
ちゃん付けにはそろそろ慣れてきた。
毎回呼ばれるので、あまり気にならなくなってきている。
「倒れてた俺に包帯巻いてくれたのはお前なのか?」
一番最初の巻き方と彼女のやり方は違っていた。
それに、手つきが結構たどたどしかった。
まるでつい最近からやり始めたような手つきだった。
「違うよ?」
やはり予想通りだった。
巻く為に裸を見られたのは少し恥ずかしいが
彼女が他人の治療に慣れていないのなら仕方ないだろう。
「最初はホークアイがしたんだよ?
後は教えてもらった通りに巻いただけ」
「‥‥なっ!!?」
またお前か!またあの変態野郎なのか!
クソッ、よりによってアイツに見られるだなんて‥‥‥‥
〜〜〜〜〜〜〜ッ!!治ったら絶対にブッ飛ばしてやる!!
「でもね、ホークアイは目をつむってやってくれたんだよ?
ジェーンちゃんが恥ずかしいだろうからって」
え、アイツが俺の為に?ていうか
見らずに包帯を巻くなんて出来るのか?
「私が位置だけを教えてあげたの。
ホークアイはね、意外と何でも出来るんだよ?」
料理に治療、そして援護射撃。裏方向きの特技ばかりだな。
でも‥‥‥‥俺の為なんかにそこまでしてくれるなんて‥‥‥‥‥嬉しい。
心から言える。すごく嬉しかった。
「いつもはえっちな事ばっかりしてくるけど
本当はすごく頼りになるんだ。だから
ホークアイの事あんまり嫌いにならないであげて?」
マリーは俺の目をじいっと見ながら言った。
や
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