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タケミカズチ、抜錨します。
次元覇王流
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ん、夕立さんの計16名。

道場の中央にタケミカズチさんと霧島さんが右拳を突き合わせていて、残りの艦娘達は壁際で正座をして横に並んでいて、2人を見守っていた。


「………霧島、腕を上げましたね。見事な聖拳突きです」
「習い始めた頃はよく拳を痛めていましたからね。その頃と比べたら強くなっている自信はあります。ですが、私なんてまだまだです」
「現状に満足することなく、更なる高みを目指す。素晴らしいことです。ですが、力に執着しては駄目ですよ。次元覇王流の極意は――」
「悔いを残すことなく、慢心することなく、常に自分が出せる全力で、自分の思いを拳に込めて相手を打倒する、ですね」
「その通りです。では、今日の朝練はここまでにしましょう」


……これは一体どういうこと?艤装による砲撃や射撃が攻撃手段である艦娘が、格闘技の鍛錬?この鍛錬に一体何の意味が……。

私がそんなことを考えながら隣に居る吹雪さんに視線を向けると、吹雪さんは目を輝かせながら道場を見ていた。


「そうだ!次元覇王流って、タケミカズチさんが師範をやっている格闘技ですよ!!タケミカズチさんは今まで何体もの深海棲艦を殴り倒しているって有名なんです。もしかしたら、この次元覇王流の技で倒しているのかもしれません。
……次元覇王流、私も入門しようかな?そうしたら、今より強くなって皆の役に立てる様になるかも……」


ちょっ、吹雪さん!?何血迷ったこと言ってるんですか!!?私達、一応は艦船ですよ!それが格闘戦って……。というかタケミカズチさん、あなたは一体どこに向かおうとしてるんですか!!?




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