暁 〜小説投稿サイト〜
Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
瑞雲 イリデセント クラウド
脚本奏者
第25話 夜明け
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難しい表情のまま答える藤原大尉、その事案自体は彼女にとって不本意な事である事を物語っていた。
そして、其れについて口を開いたのは紅の侍兵だった。
「しかし、奴らには今までそうと知りつつも亡国政策を推し進めてきた責任がある。その無責任の代価、彼らの流血でまとめて支払って貰おう。」
「やれやれ、此処でも難儀だな……民意を見逃すな。流れが決まるのは一瞬だぞ。」
「「ははっ!!」」
皮肉の裏に敵意を隠さない真壁に肩を竦める蒼き将、そして彼の行く先に日本の未来があると信じる斯衛の山吹と紅蓮を纏いし二人の侍は彼に傅く。
「諸君らの忠誠に感謝する―――では物語を、物語を始めよう。出鱈目を入れて語りを遮りながらゆっくりと一つ一つ風変りな出来事を打ち出して。」
まるで、自分の書いた小説が演劇となるのを見る作家のような目で斑鳩崇継はその手元に無造作に置かれた資料に重ねられた、傍らに黄昏色の軍服を纏った娘を寄り添わせる蒼を纏った傷だらけの青年―――自らの義弟である斑鳩忠亮を見る。
「―――
英雄
(
ヒーロー
)
はお前だ、斑鳩忠亮。そして
救世主
(
セイヴァー
)
は……さて、誰となるのかな……アドリブも重要だな。」
望遠深慮の将、斑鳩崇継は不敵にほくそ笑みながらその席を立つのだった。
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