エピローグ:神話と勇者と聖剣と
神話と勇者と聖剣と
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とう」
でも、口から出たのは、そんな照れたような言葉だった。素直に感謝できない自分が、今日は余計に腹立たしく感じる。
「照れることなんてないよ、琥珀ちゃん。すっごくにあってるよ」
「うん……ありがと、エミリー」
車いすを自力で動かしながら近づいてきたのは笑里だ。ウエディングドレスの裾を踏まないようにゆっくり近づいてくる彼女も、今日はドレス姿だ。
いつの間にかハザードの恋人になっていた彼女とは、多分琥珀が一番仲がいい。彼女がタメ口で話すのは琥珀だけだったから。
「うぅぅうーん、やっぱり可愛い女の子が着ると映えますねぇ、WD」
「何ですかその略称」
「私も着たいですよ」
「その前にまず先生はお相手を見つけないとですねー。もうすぐ二十代も終わりですよ〜?」
「ひゃぁぁぁッ! ハクナ、それは言ってはいけないことですッ!! 心はいつまでも乙女なんですから!」
騒がしく突込みを入れあうのは水音とハクナである。この師弟はいつまでたっても変わらないと思う。
「っというか、私もそんなに若くないですし……ハクアさんもすぐに見つかると思いますよ」
「やだなー、琥珀さんが若くなかったら世の中の女性みんなおばさんですよ。私とか、私とか、わたし、と、か……グフッ」
自分の言葉にダメージを食らって倒れ伏すハクア。
「じゃ、じゃぁ、私達は先に式場の方に戻ってますね」
そう言ってハクアを連れて帰ったのは、和服の女性。コクトの姉、白羽だ。『《白亜宮》騒動』の折はほとんど会話することはなかったが、最近はよく話し相手になってもらっていた。
「琥珀さん、頑張って下さいねー」
ハクナも出ていく。
人の数が一気に減った控室で、次に近づいてきたのは白髪の少女。ドレスを纏っていてもその首のマフラーだけは外さない、彼女。
「……御綺麗です、琥珀さん」
「ありがとう、刹那」
天宮刹那が、羨望の眼差しで見つめてくる。
「私もいつか着たいです」
「ハクアさんみたいなこと言わないの」
「……お兄様は許容してくださるでしょうか?」
今ちょっとアブナイ発言が聞こえた気がした。
シャノンと言えば、そうの姿は見ない。多分式場の方にもう行ったのだろう。琥珀は彼女とほとんど話すことが無かったので、ちょっと残念と言えば残念だが。というか不自然なほどに話したことが無いのだが。
「琥珀ちゃん、用意できたかい」
入ってきたのは、どこか白衣に見えなくもないデザインのドレスを纏った、清文にそっくりの女性。彼の姉、小波だ。
「はい、義姉さん」
「ふふっ、その呼び方をされる日が来るとはね……さ、行こうか」
小波に手を取られて。
琥珀は、
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