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叫びが聞こえた気がしますね…それはスキップしまして。

 翌日。ボス部屋の前です。

「ワクワクするなー。ベータ版と違う所とかあるんだろうか。あってほしいな!」

 スサノさんは片手剣を構えて、曲刀を腰に差してワクワクしています。本当に楽しそうな笑顔です。

「俺は……むしろ、変更が無い方がいいがな……」

 シウさんは相変わらず不機嫌そうです。合理主義と言うか、効率厨というか。そんな感じの方ですね。

「アイテムチェック:問題なし/コンディションチェック:問題なし/システムオールグリーン/ターゲット:《ルインコボルド・センチネル》/殲滅開始:是」

 マキナートさんは機械的な口調で喋っています。もうなんだかよくわかりませんね、この人。最初からこんな感じだったんですが……まるで昔の私です。

 ああ、お兄様。どこにいらっしゃるのですか? 私を機械の運命から救ってくださったあなたは何処に。

「――――勝とうぜ!」

 ディアベルさんが何か言っていたようですね。知りません。

 ボス部屋の扉があきます。雪崩を打って飛び込んだプレイヤーを、巨大な犬面人(コボルド)が迎え撃ちます。第一層フロアボス、《イルファング・ザ・コボルドロード》です。

 今回の私たちは取り巻きの《ルインコボルド・センチネル》を討伐しなくてはなりません。私の力ならボスも一撃なんですが……信じてもらえなくてですね。

 まぁ、仕方がありません。とりあえず飛びかかってきた《センチネル》をラティカペインで叩き斬ります。

「グェッ!」

 踏みつぶされた蛙の様な声を上げて爆散するセンチネル。雑魚ですね。ですが侮ってはいけません。

 向こうの方では皆さんが戦っています。キリトさんとアスナさんはコンビプレイ、スサノさんは無双、シウさんは巨大な斧を振り回してますし、マキナートさんは……やはり機械の様な動きです。彼、もしかしてBOTとかなんでしょうか……いえ、SAOにはシステム上はいれませんね。

 システム上、と言えば、私のレベルは圧倒的に不自然に高いのですが……カーディナルから下方修正とかはかかりませんね。お兄様の加護なのでしょうか。ああ、お兄様。

「グギャァッッ!」

 二周目に入りました。センチネルが飛びかかってきます。

「ふっ!」

 ラティカペインを一振り。両断です。

 とまぁ、そんなループを繰り返して、はや二十分ばかり。

 ついにボスのHPバーが最後の一段に。沸き立つ《攻略組》。

「どけ! 俺がやる!」

 ディアベルさんが突っ込みます。あれ? 悪手じゃないでしょうか、あれ。

 というかボスの握ってる武器、あれ《湾刀(タルワール)》じゃなくて刀ですよね。あ、あのソードスキ
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