マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0935話
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叩き破るかの勢いで部屋の中に突入してきたピニャが、完全に心を折られて惚けた様子の自分の騎士団を見て目を大きく見開く。
「ボーゼス! パナシュ!」
ピニャが大きく叫ぶが、それを聞くべき2人は激痛で気を失っており一向に目を覚ます気配はない。
「アクセル殿! これは一体どういうおつもりか!」
烈火の如き気配を発しながら怒声を発するピニャだったが、俺はそれに軽く肩を竦めて答える。
「ハミルトンにも言ったが、こいつらから攻撃を仕掛けてきたんだぞ? それもお前との簡単にではあるが条約を結んだと言ったのに、だ。そこまでやって攻撃してきたんだから、当然処罰する権利は俺にあると思うが。……それとも何か? お前はあの条約を破棄すると? まぁ、それならそれでも構わない。その場合は改めて俺達の流儀で行動させて貰うだけだからな」
「なっ、そ、それは……」
さすがに盗賊を俺1人で圧倒するだけの戦いを見て、更に俺程ではないにしろ、似たような実力がある者達がいると知れば、帝国の皇女としては黙らざるを得ないといったところか。
「さて。それを踏まえた上で、だ。シャドウミラーの代表である俺に向かって攻撃を仕掛けてきたこいつらを、どうする? 現在は俺の捕虜という扱いであるというのは理解してると思うが」
「……」
沈黙を守るピニャ。
そんなピニャに向け、ハミルトンが視線を向ける。
だが、口を開く様子はない。
そのまま数分。これでもかとばかりに悩んでいたピニャだったが、やがて絞り出すような声をその口から吐き出す。
「わ、妾に対する……貸しとしてもらえぬか」
なるほど、そう来たか。
その口から出てきた言葉にちょっと驚く。
てっきり金銭やら何やらでどうにかするものだとばかり思っていたのだが……貸しと来たか。
だが、確かにそれは上手い方法とも言えるだろう。向こうにしてみれば、いざとなれば踏み倒せばいいだけ。そう考えている可能性も高いのだから。
だが……
「一応聞いておくが、帝国で皇帝を殺そうとした者の処罰は?」
「それは……死刑だ」
「だろうな。で、俺はシャドウミラーという、帝国如きとは比べものにならない程の力を持つ国の代表な訳だ。つまり、死刑間違いなしの罪人を無条件でお前に譲るという程の貸しとなる訳だが……それを十分に理解しているか?」
「……無論」
一瞬の躊躇を考えるに……さて、どんな事を考えているのやら。
「それを承知の上でその取引を口にする以上、踏み倒すなんて真似はさせないが、それでもいいんだな?」
「無論」
今度はあっさりと口に出す。
そうだな、なら1つ脅しを入れておくか。
「そこまで言うのなら、お前への貸しという形で構わん。だが……」
そこで
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