第十話:闇夜切り裂く光の剣閃
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ち直った死神の猛攻をすんでの所で防ぎ切る。息もつかせぬ程の高速連撃。異常なまでの筋力。冴え渡る技のキレ。
どれを取っても最高度に洗練された動き。正直防ぐので精一杯だが、まあ、その程度だ。
「オレの知り合いには防ぎ切れないヤツがいるもんでねーーー」
上段からの振り下ろしを、体を左に逸らして躱し、稲妻のような速さの左回転斬りを、エスピアツィオーネで受け止める。
「ーーもう見切った」
閃光が放つ剣技はもっと速かった。
黒の剣士が繰り出す一撃はもっと重かった。
鎧の聖騎士の絶技の方が美しかった。
「そろそろ、終わりにしよう」
クリミナルエスパーダを放り捨てる。
これより意識の総ては両手に握った黒の十字架剣に注がれる。一瞬でも流れが止まれば、この身はあの鎌によって断裂させられるだろう。
だがやらねば勝てない。ならばやるしかない。
半身になり腰を落とし、切っ先を死神へ向ける。
これより繰り出すは『無限剣』というスキルの極地。本来存在しなかったはずの、レンだけの剣技を極めた総て。
「行くぞッ!」
足に溜めた力を爆発させて疾走を開始する。
白い稲妻の如き速度で、体は既に愛剣の届く範囲に死神を捉える。
第一斬。
「オ、ラァッ!」
纏うは血の如き朱色。システムによるアシストを上書きする勢いで繰り出すのはただ一点の重きを置いた全霊の突き。
『ヴォーパル・ストライク』と名付けられたソレは、死神の体を貫通する。
蹌踉めく漆黒の巨体を吹き飛ばし、次の準備を行う。渾身の突きを繰り出したままに固まる体を、動かす。
意識を切り替える。思考を途切れさせ、次の動きへと連動させる。
第二斬。
漆黒の剣が、光を噴き出す。やがてそれは巨大な剣の形を為して、完成を迎えた。
「う、おおお!」
無限剣スキル特殊重撃技。
『リライト・スレイブ』。
その銘を付けられた一撃は、先の血色の一突きを上回る。溢れた光その全てを、下段から振り上げ、死の象徴に叩き込んだ。
光の柱が打ち上がる。悪しきものを浄化する光は死神を飲み込み、しかし鎌の一薙ぎによって霧散する。
けれどそれは予想通り。もとよりこの一撃で決められるなどとは思ってはいない。今までのは全て布石であり、次に繰り出す技もまた、勝つ為の駒である。
第三斬。
スキルディレイを意識を切り替える事で強引に振り払い、指先を上げる。
刹那。
死神のローブがズタズタに引き裂かれた。
『ソード・ダンサー』
舞うは剣。踊るも剣。大小様々、形状多岐の無数の剣軍が、死神を取り囲
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