第五章
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「そっちも減ってるわね」
「だから焼きますか」
「お願い出来るかしら」
「はい」
ペドロはにこりと笑ってスーに答えた。
「それじゃあ」
「悪いわね、じゃあ私は店番続けておくから」
「お願いします」
ペドロは礼儀正しくスーに応える、二人はあくまで店員同士だった。しかしこの状況が不意に変わってしまった。
ある日だ、店にだ。
酔っ払いが来た、酔っ払いは近所のトニー爺さんだった。爺さんは真っ赤になった顔で千鳥足になりつつ店に入ってだ。
そのうえでだ、スーにこう言って来た。
「よおスーちゃん元気かい?」
「お爺さんまた飲んでるの?」
「見ての通りだよ」
その赤ら顔でだ、爺さんはスーに答えた。
「今日は仕事もないしな」
「それで朝からなのね」
「ビールを楽しんでるんだよ」
「それはいいけれど」
「飲み過ぎだっていうんだね」
「まだお昼前なのにお顔真っ赤よ」
「ははは、黒ビールを買ったんだが美味くてなあ」
それで、というのだ。
「ついつい飲み過ぎてな」
「それでなの」
「この通りだよ、ソーセージと一緒にやってたよ」
「一体どれ位飲んだのよ」
「大ジョッキで三杯か」
もうそれだけ飲んだというのだ。
「美味いから本当に飲んだよ」
「それでどうしてお店に来たの?」
「昼飯を買いに来たんだよ」
昼食のそのパンを、というのだ。
「それで来たんだよ」
「じゃあどんなパンがいいの?」
「そうだな、酒飲んでるしな」
爺さんはスーに言われてだ、考える顔になってだった。
そうしてだ、丁渡店のパンを補充していたペドロに問うた。
「兄ちゃんはどのパンがいいと思う?」
「お昼御飯のパンですね」
「見ての通りわしは飲んでるよ」
「ビールをですよね」
「そうそう、話を聞いてくれてたんだね」
爺さんはペドロの返事に笑顔で返した。
「有り難いな、それじゃあな」
「どのパンがいいかですね」
「ああ、何がいいと思うんだい?」
「お客様は今お酒が入っていてそれはビールですから」
このことからだ、ペドロは爺さんに答えた。
「ソーセージやフランクフルトを入れたパンか卵サンド、カツサンドですね」
「ああ、サンドイッチもあったな」
「そうしたものはどうでしょうか」
「よし、じゃあカツサンドトハムサンドだ」
爺さんは彼の言葉を聞いてそれにすると答えた。
「そっちにするよ」
「わかりました」
「いや、しかしな」
ここでまた言う爺さんだった。
「兄ちゃんよくわかってるね、これはここのお店でずっとやっけいけるよ」
「ええ、私もそう思ってるわ」
スーは爺さんのこの言葉には微笑んで応えることが出来た。
「ペドロ君本当に優秀な店員さんだから」
「だよな、ずっとやっていくんなら
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