第二章
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「一つ大事なことは」
「相手は年上」
「それに限るんだね」
「年上の人でないと」
このことはだ、やる気と同じだけ強く言うのだった。
「さもないと嫌よ」
「スーちゃんの好みとしては」
「そこはだね」
「年下の子なんてね」
とにかくムキになって言った。
「子供じゃない」
「スーちゃん子供好きじゃない」
「お店に来た子供にはいつも笑顔じゃない」
「それでもなんだ」
「旦那さんは年下じゃ嫌なんだ」
「そう、大人でないと」
それこそ、というのだ。
「旦那様だけはね」
「男の人の好みは」
「そっちなんだね」
「大人でないと」
それこそとだ、スーはとにかくそこには強いこだわり異性の好みを言って引かなかった。それも一歩もであった。
ただだ、そのスーにだった。常連客も家族も言うのだった。
「別に年上でなくても」
「別にいいんじゃないかな」
「これはっていう相手だったら」
「旦那さんに相応しい人なら」
「それならね」
「特に」
周りはこう言うがだ、それでもだった。
スー本人はだ、強く言うのだった。
「駄目よ、年上の人でないと」
「そこはなの」
「絶対なの」
「そう、私はね」
こう言って止まない、それでだった。
スーはとにかくあくまで結婚相手は年上にこだわった、そのせいかこれはという相手が中々いなかった。その中で。
店長である父のホセがだ、スーに言った。
「最近忙しいからな」
「お店がね」
「ああ、だからな」
それで、というのだ。
「店員雇うか」
「そうね、このままだとね」
スー自身もだ、こう言うのだった。
「手が足りないわ」
「だからな」
それで、というのだ。
「新しい店員さん雇うか」
「そうね、私もそれでいいと思うわ」
新しい店員を雇う、それがというのである。
「誰か雇いましょう」
「それじゃあな」
こうしてだった、店は新しい店員を雇うことにした。そうして募集すると暫くしてだ。店にある男が来たのだった。
背が高く爽やかなブロンドですらりとしている、細面で目の色は青で大きい。口は大きく微笑んだ感じだ。
鼻は適度な高さで形がいい、耳は大きめだ。
すらりとした長身を動きやすそうな服で包んでいる。その彼がだ。
店に来てだ、店長であるスーの父に問うた。
「あの、お店の貼り紙ですが」
「ああ、今人を探してるんだよ」
店長もこう彼に言う。
「あんたは」
「はい、この街に来たばかりで」
「仕事がないんだね」
「丁渡探しているところです」
「なら話が早い。それじゃあね」
「パン焼けます」
若者はすぐに店長に言った。
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