ツインテールと影
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「管理人、管理人!いるんだろ、いるなら返事してくれ!」
俺はメリーゴーランドにやってきた。しかし、これまで見ないほどの人だかりで、管理人の姿すらわからない
「そう慌てるなよ、お兄さん」
突然、俺の後ろに、金髪のツインテールの少女が現れた、俺より少し年上に見えるが・・・・これが管理人?
今まで、女の管理人はいなかった。だからそれは、驚きであり、新鮮であった
「あれ、そんな驚いた顔して。あぁ、そうか、今まで出会ってきた管理人が、男ばっかりだったからか。なぁに?見つめても何もできないわよ」
「いや、そんなのは望んでない。俺は、妹を探してるんだ。青葉空音という。そういう名前の少女はいなかったか?」
少女は、少しふてくされた顔をした。あれ、俺、なんか怒らせるようなことさせたっけか?
だが、少女の顔は、すぐに不敵な笑みへと変わった
「青葉空音、ふふふっ、その子ならさっき、遊園地に心を奪われたわよ」
俺の顔は、体は、心は、一瞬にして凍りついた。何が何だか、理解できない
「う・・・・嘘だろ・・・・俺は、俺は、手遅れだったっていうのか・・・・?」
「あら、一緒じゃなかったの?ざーんねんでしたー!それに、可愛いから、お城に送っちゃった
・・・・マスターのいる、お城に。
きっと、今頃、召使いたちが、可愛く飾り付けてるんじゃないかしら。きっと、マスターも喜ぶわ
しかし、不思議なことが続くものね・・・・さっきの、青葉空音は、苗字が一緒だったから送ったってのもあるけど
兄のあなたは、マスターそっくりね。声も、顔も・・・・
ただ、マスターとは性格が違う。マスターはあんたのような何もできない、弱い人じゃない。マスターは、子供たちの夢よ
あんたは、妹を救うことでヒーローになろうとしてるけど、マスターは、もうヒーローなんだから!!
あーあ、こんだけ言ったらすっきりしたわ。あんたをマスターと会わせてみてもいいかもね」
少女は、俺に鍵を手渡した。
「なにか言われたら、月野雪に、マスターに会うように言われた、って言えばいいよ。ヒーローのなりそこないさん!」
随分と、失礼なことを言われ続けた。そんなに俺は、気に障る事を言ってしまったんだろうな
だが、俺も何も言わずにそのまま逃げるわけには行かない
「俺は、確かに何もできないよ。無力な兄だ。俺が何もしれやれなかったから、空音は遊園地に憧れて、こんなところまで来てしまった。
だから、全ての責任は俺にある。俺が、空音を助ける以外、道はない。
俺はヒーローぶってる、ヒーローのなりそこないさ。
だからこそ、空音を助けて、ヒーローになってやるって、思ってるんだよ。
鍵までくれて、ご心配どうもありがとうございました。貧乳のお姉さん」
「・・・なっ・・・・!!」
俺は逃げるように、その場を去った
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