祭の賑わいと解ける緊張
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さってのが完全に悪と言うわけではないからな。寧ろ、俺は弱いままでいたいね」
逆に言えば、弱い奴が強いやつに敵わない謂われも無いのだ。様は気の持ち方、考え方で人は強くなったり弱くなったりするのである。
「んで?お前はここで何やってんの?」
「進路希望表を書いているのよ。実行委員で忙しくて中々書く時間がなかったから。それに、誰かさんに今までの考えを覆されてしまったから」
「誰かさんって誰だよ」
「内緒よ…ふふっ」
「内緒ねぇ…。由比ヶ浜辺りか?他には…平塚先生とか、陽乃さん辺りも妥当な線だよな」
「…はぁ」
「……んだよ?」
いきなりため息を吐かれた。
別に変なこと言った覚えはないんだけど。
「…なぁ、二人とも」
「ん?」「何かしら」
突然、比企谷が歯切れ悪く言葉を紡ぐ。その顔は何処か言いづらいことを口にするかのようで……
「俺とt―――」
「ごめんなさいそれは無理」
「くっ!最後まで言ってねぇだろ!」
比企谷の言葉を遮って雪ノ下がそう言った。何を言おうとしたのかは分からなかったが、その雰囲気が俺には大変心地良い。
「くく…なぁ比企谷」
「んだよ」
俺はクスクスと笑いながらも比企谷に目線を合わせる。これから言うことは俺の口から初めて出る言葉で、それでいて儚く脆い言葉でもある。
「よかったら、俺と友達になってくれねぇか?」
「ぁ――――――」
比企谷は目を見開く。
信じられないものを、あり得ないものを見て、感じたかの様に俺を見て、比企谷は硬直するのだった。
「…駄目だったか?」
「あ、いや………別に、良いぞ」
「ん」
良かった。
これで比企谷に断られていたら数日間引きこもっていた自信がある。
「雪ノ下は良いのかよ?」
「へ?ああ。雪ノ下は由比ヶ浜の誕生日の買い物の時に「鳴滝君」………はい」
「それ以上の言葉を繋げるのなら…私にも考えがあるわ」
怖かった。
何時もは凜とした目をしている雪ノ下の瞳には「それ以上言うな」と示されており、何時ものような凜ではなく冷…もっと言えば極寒のごとき冷たさが伺えた。
「(お前何かしたのか?」
「(いや、覚えがない…」
雪ノ下の恐ろしさを比企谷と二人、小声で話し合う俺達だった。
ガラッ
「ぃやっはろー!」
扉が開き、入ってきたのは由比ヶ浜。
「文化祭御疲れー!と言うことで後夜祭に行こー!」
「行かない」「行かねぇ」「帰る」
三人の同意件。
由比ヶ浜の誘いを即答で切り捨て、黙々と字を連ねる。
「んで?その後夜祭って何?」
「知らないで断ったの!?後夜祭って言うのは…えーっと、その
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