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元虐められっ子の学園生活
祭の賑わいと解ける緊張
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戦力外の女子二人が倒れた葉山に掛けよって抱き起こした。
俺の方を睨み付け、「何しやがんだこの野郎」と目で訴えてくる。

「時間がない」

俺は懐から一枚の紙を取り出して読み上げた。

「今この時をもって相模を実行委員長の座から解任。
副委員長、雪ノ下を委員長とし、この後の学園祭進行を行うものとする。以上」

「……は?何、それ…」

「比企谷、雪ノ下に連絡を。集計結果は既に伝えてあるから大丈夫だ」

「了解…………雪ノ下か?―――」

相模の言葉を無視して比企谷に雪ノ下へ連絡を回すように言う。
比企谷は直ぐに行動してくれた。

「何なのよそれはぁ!?」

「業務連絡だよ。分からねぇか?
お前が散々に職務放棄してくれておかげで、今年の文化祭は前年度より大幅に忙しくなってしまった。それらのことを踏まえ、教員及び実行委員の承認のもと、こう言った緊急時の対応として用意された解決策だ」

俺は相模に紙を見せびらかしてそう言った。

「知らない…ウチそんなの知らない!」

「残念ながらその返答は許されない。
これは承諾されるもとしてされた立派な書類だ。今更覆すなんてことは絶対に不可能なんだよ」

「鳴滝、報告終わったぞ。これから閉会式を行うそうだ」

「ん、了解だ」

俺は紙を折り畳んで懐へ仕舞う。
そして扉へ手を掛けようとしたところで葉山が怒鳴った。

「何でだ!相模さんを連れ戻しに来たんじゃないのか!」

「誰がそんなことを言った?
誰かさんの携帯に連絡が付かなかったから直接言うために仕方なく探したまでだ。連れ戻そうなんて微塵にも考えてなかったな」

「お前ぇ…!」

「残念ながら今の書類には元実行委員長の承認だって押されている。
既に決まったことを一々言わないでくれるか?」

「ウチそんなのに判子なんて押してない!」

「委任しただろ?雪ノ下に……」

「え……あ…」

「じゃあな」

俺と比企谷はその場を後にする。
残された四人は何も言わずにその場に立ち尽くすのみだった。










「流石に疲れたな…」

無事、学園祭は終了を迎えた。
雪ノ下は委員長としてその後のエンディングセレモニーを全うし、挨拶までもを完璧にこなした。

「ううっ……う〜…」

「大丈夫?」
「アイツが変なこと言わなければちゃんと出来たのに…」

方付けの最中、何故かまだ残っていた相模と取り巻き二人が傷を嘗め合うように慰めていた。

「あの二人マジヒデェからー!夏休みん時も、葉山君殴って笑ってたしー!」

「殴られたのか葉山!先生に言った方が良いんじゃないのか!」

「……良いんだ。彼らにも悪いところはあるだろうしね
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