第155話
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、ヴェントの術式が解除されれば一方通行は捕まる。
もう彼はこちら側に帰って来れないかもしれない。
それを心配しているのだろう。
「大丈夫だろ、あいつなら。
必ず戻ってくるさ。」
別段根拠がある訳ではない。
戻ってくる保障など全くない。
でも、桔梗は麻生の言葉を聞いて少しだけ笑う。
「朗報じゃん。」
携帯をポケットにしまって愛穂は言う。
どうやら、先ほどまで誰かと通話していたらしい。
「警備員の同僚が目を覚ましたじゃん。」
「そうか。
多分、他の人も時期に目が覚める筈だ。」
上条がヴェントを倒したのだろう。
おそらく上条の右手が天罰術式の霊装を破壊したのだろう。
事件が徐々に治まり始めている。
長い一日が終わろうとしていた。
気絶しているブリジットは他の警備員と共に回収するらしい。
愛穂は起きたブリジットが逃走する可能性があるのでこの場に残る。
一人にさせる訳にはいかないので麻生も残り、つられて制理も残ると言い出し、最後に桔梗も残ると言い出した。
結局全員がこの場に残るという結果になり、三人は笑い合う。
そんな中麻生は回収した魔道書に視線を向けていた。
(これを解読すればあいつらの魔術について知る事ができるかもしれない。)
視界に入れるたびに頭痛がする。
この場でこの本を開ければ何が起こるか分からない。
寮に戻って色々と準備を進めないとな、と考えた時だった。
本当に突然だった。
空気が凍りついたのは。
実際に凍りついたわけではない。
四人はしっかりと息はしている。
なのに、空気が冷たい。
胸を圧迫する威圧感は背後からだった。
麻生の除く三人は顔は血の気がなくなっていた。
麻生自身嫌な汗が全身に噴き出している。
さっきのブリジットとは比較にならない。
何かが後ろにいる。
「お前ら逃げろ。」
だが、三人は動こうとはしない。
金縛りにあったかのように全身が硬直しているのだ。
動けるのは麻生だけだ。
大きく深呼吸をする。
このままここで突っ立ていても殺されるだけだ。
意を決して後ろに振り返る。
能力を躊躇いもなく発動する。
初撃で倒すつもりだった。
後ろを見るとそこにはブリジットと同じ赤いローブを着た人物が立っていた。
左手に星の力を集め、さらに前方には歩く教会を凌駕する防御魔法陣を一〇を展開。
その一枚一枚は術式の理論は別々で、一枚目を破壊する為に魔術を構築しても二枚目は全く別の魔術で作られた防壁が待っている。
これを破壊するには幻想殺しくらいだろう。
星の力をフルに使い、短い時間でこれほどの防御魔術を展開。
破られるとしても数分は稼げると思って
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