SAO編
デスゲーム開始
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『……以上で《ソードアート・オンライン》正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君の健闘を祈る』
そう言ってボロマントは薄れて消える。
ボロマントーー茅場晶彦のチュートリアルが終わると、広場は混乱に満ちた。
「ま、当然だよな」
目的を果たすためには混乱を鎮めなければならないのだろうが、見た目がガキ(実年齢十四)が何を叫んでも、どうにもならないことはわかりきっている。
見れば静かなやつもいるが、よくよく見ると目が虚空を彷徨っている。
こんな状況で生還者を多くするには自分の強化及び情報収集だ。ダイブする前にβテストをやっていた菊岡と様々なサイトから情報は集めたがこれは自分自ら行動するゲームだ。百聞は一見しかずというやつだ。
「やれやれ、面倒なこと引き受けちまったな……」
数日前の喫茶店にて……
「俺が行くだって?」
「そう。一度死んだら終わり。そうゆう世界なら、現実と大差ないだろう?君は何度もそんな死線をくぐり抜けてきた……だから、事情を知っている中ではきみが適任だと思うよ」
「……もう昔の話だよ、菊岡。今は……」
「無理にとは言わない。ただ、僕は一人の人間としてこの事は無視できないからね。君が行かないのなら、きみの組織の繋がりでもいいから誰か推薦してくれないか?」
「ひどい脅しもあったもんだ」
俺は今この時点で菊岡との繋がりを失う訳にはいかない。《彼女》のためにも。
菊岡は苦笑し、
「そうとられても仕方ないかもしれないけど。きみは行くんだろう?
もちろん、ダイブ中の身体は十分な介護を約束しよう」
「……解った」
「本当かい!?ありがとう!じゃあ「ただし」…なんだい?」
「条件が二つある」
「あー……思い出してみるとギブアンドテイクで了承したんだ……はぁ」
まだ騒いでいる連中を横目に、フィールドへ向かう。
俺の行動に気づいた奴らは「正気かこいつ」的な顔してるな。確かに俺は正気ではない。
だからって冷静じゃないわけないけどね。
自分の大切なもののためには手段を選ばない俺は、間違いなく狂っているのだろう。
……ところで装備はどうなってるんだ?
チリーンという音を立てて出現したメニューウィンドのアイテム欄を開き確認してみる。
・武器 スモールブレード 片手用直剣
・防具 シャツ
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