第四章
[8]前話
「そうだな」
「はい、彼等です」
「人の中で最も賢明な者達だが」
「彼等と思いました」
「火を正しく使いか」
「必ずゼウス様にこの様に判断して頂けるものを見せてくれると思いました」
「そうなのだな」
「全てはそうした考えでした」
プロメテウスはゼウスの前に片膝を折って言った。
「このことでお咎めがあれば」
「受けるか」
「何なりと」
「よい」
だが、だった。ゼウスはそのプロメテウスにこう告げたのだった。
「それがいいことになったからな」
「だからですか」
「それに私が認めたことだ」
人に火を使うことを試すそのことをだ。
「私はな、だからいいのだ」
「左様ですか」
「だからいい」
「そうですか、それでは」
「そなたはそのまま人を見守りだ」
そのうえで、というのだ。
「知恵を与えていくのだ」
「では」
「その様にな」
こう言ってだ、ゼウスは微笑みだった。
その人間が自分に捧げたパンをプロメテウスに差し出してだ。そのうえで言った。
「そなたも食べるのだ」
「人が作ったパンを」
「私に捧げてくれたな」
それをだというのだ。
「共に食べよう」
「有り難うございます」
「美味いぞ」
ゼウスはパンを受け取ったプロメテウスにこうも言った、そして。
プロメテウスはそのパンを実際に食べた、すると確かにそれは美味かった。神が作ったそれと同じだけ。
プロメテウス 完
2015・1・17
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