アイングラッド編
SAO編
心の温度
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ナ、そして彼女が急に入って来たのを未だに驚いているキリト。
(……もしかして、またやっちゃったんですかいキリト君?)
天然ジゴロのキリトの前科は甚だしい。
リズは耐えかねたように俯きながらアスナを引っ張って店から飛び出して行く。
「ちょ、ちょっとリズ、どうしたのよ」
2人は俺の横を通り抜けて何処かへ行ってしまった。
「キリト」
「レイ……」
「まあ、言わずとも何があったかはわかるがな……」
「俺……どうしたらいいかわかんないんだ……」
「俺はお悩み相談室を開いてる訳じゃないぞ」
「?……なんの話だ?」
「いや、こっちの話だ。……で、どうだった?」
「は?」
「久しぶりに人とそれも格下と組んで足が竦まなかったか?」
「……確かに、竦まなかった、な。何でだろう……」
「それは自分で考えろ。わかったらちゃんとお礼、言いに行くんだぞ、リズに」
「ああ……、よし、行ってくる」
そして勢いよく飛び出していった。
(……早ぇよ。ちゃんと考えたのか?)
俺はあいつを本当に羨ましく思う。あの出来事以来、人を一段と避けるようになって、希望を見出だして身を削りながら生きて、それが想像していた物とは違ったときはもうダメかと思ったが、こうしてまだ懸命に生きている……。
誰にでも真似できることではない。その強さが今のキリトを形作っているのだ。
真の強さとは何か、力か、心か、信念か……。
俺にはわからない……。
「……お前達は、判るか?」
いつかの疑問文を内容を違えて再び虚空に呟いた。
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