アイングラッド編
SAO編
心の温度
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平日だが今日は休暇にした。
(武器の耐久値も回復させなければな……)
普段は早くから遅くまでフィールドに出払っているため、用品の補給は週1、武器、防具のメンテは基本的に週2で行っている。
転移門広場まで来ると、各層からプレイヤー達がやって来たり、また移動して来たりしている。
「転移、リンダース」
少し前にアスナから紹介された今ではすっかり顔馴染みの鍛冶屋が有る層に転移した。
「リズ、いるか?」
水車付きのおしゃれな鍛冶屋のドアを開き、店主の愛称で声を掛ける。
「はいはーい。あら、レイいらっしゃい」
「武器と防具のメンテ……あと、これは以前頼まれてたインゴットだ」
「おーさすが攻略組。あのダンジョンを突破するとは……」
「2度とあそこは行かん……」
やたら複雑な迷宮と凶悪なトラップを抜けた先にある、Aランクのインゴットを取って来るのが依頼だったのだが……あそこは軽いトラウマもののダンジョンだった。
「はいはいお疲れ様。これでも飲んでて。すぐやっちゃうから」
「ああ、サンキュ」
大太刀と防具(軽装戦士用のクリティカルポイントだけを守るもの)を預け、出てきた日本茶らしき液体を飲んでいると工房の奥から金属音が聞こえてきた。
ものの5分でメンテを終え、礼を言いつつ店を出ていこうとすると、
「おはよーリズ!」
「うわっ!」
「ぐぁ!?」
勢いよく開いたドアと壁の間に挟まれて押し潰される。
どうやらオーダーメイドの武器を作り始めようとしていたらしく、リズも驚きの声をあげる。
「ごめーん。以後気をつけます……ん?」
人をドアでペシャンコにしてくれた恋する乙女初心者ことアスナさんはようやく潰れた俺に気がついたようだ。
「「「……………」」」
俺は何も言わず立ち上がり、それをリズは顔をひきつらせながら、アスナは硬直しながら見ている。
「さてと……リズ、また頼むぞ」
お釈迦様のように心が広い俺はこれを不問とした。
「えっと……レイ君?」
「おはよう、アスナ。何かな?」
「……ごめんね?」
「気にするな」
不自然さをまったく感じさせない笑顔で答え、変な汗を流している2人を尻目に店を出ていった。
「…………」
怒ってなかった……のかな?
「一応、改めて謝っといた方がいいわね」
「……そうする」
「で、今日は何?ずいぶん早いじゃない」
「あ、これお願い」
リズは刀身を僅かに抜き出し、眉をひそめる。
「まだあんまりヘタってないじゃない。研ぐのはちょっと早いんじゃない?」
「そうなんだけどね。ピカピカにしときたい
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