第二章
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「A型のね」
「そうだろ、だからな」
「怒らないで」
「それでお願い出来るか?」
そのお約束抜きでというのだ。
「今度のデートな」
「プールね」
「決まりきった固定観念ってやつを打破してな」
「私に水着になれっていうのね」
「俺も水着になるからな」
プールでのデートだ、このことは言われてみれば当然だった。
「それならいいよな」
「全く、固定観念の打破で水着になるって」
「駄目か」
「いえ、私もね」
実際のところだった、A型と周りから言われてだった。
固定観念の打破も考えていた、それで彼に答えた。
「よし、それじゃあね」
「決意してくれたな」
「行きましょう、プールに」
「じゃあどんな水着だよ」
「どんなって言われても」
行くと決めてそれですぐにはだった、どんな水着かまでは考えていなかった。水着を着るということ自体に勇気がいってだった。
そこまで考えていなかった、それで彼に答えた。
「そこまではね」
「考えてないか」
「日曜ね」
その時にというのだ。
「楽しみにしていてね」
「スクール水着とかじゃないよな」
「町のプールに着ていかないでしょ」
スクール水着が学校限定なのは私も知っている、その外で着ているとそれだけで妖しい目で見られることも。
「着ないから」
「そこで固定観念の打破にはならないんだな」
「しないわよ」
「最近の仮面ライダーみたいに型破りにいかないんだな」
「仮面ライダーは最初からそうだったっていうじゃない」
兄が特撮マニアでいつも聞かされてるので知っていた、サラリーマンをしつつ特撮のDVDやおもちゃ、フィギュアを集めているどうかという兄だ。しかも額がきてきている。
「毎回毎回固定観念の打破でしょ」
「だから一作ごとにあんなに違うんだな」
「そうよ、だからね」
「ああした風にはしないんだな」
「そんなこと言ってるとね」
私は彼に口を尖らせて言った。
「水着じゃなくて最初の待ち合わせから仮面ライダーのスーツ着て行くわよ」
「それはちょっとな」
「そうでしょ、固定観念の打破じゃないでしょ」
「ヒーローショーになるよな」
「それか全身に蜂まとって来るわよ」
「それは変態さんだろ」
何かそうしたデモをした人がいる国があると聞いて言った言葉だ。
「幾ら何でもな」
「そういうことはしないから」
「したら病院行きだな」
「固定観念の打破と変態さんは違うからね」
「だからか」
「それはしないから」
仮面ライダーの姿でデートに行くこともだ。
「プールには行っても」
「それでもだよな」
「そう、とにかく水着はね」
このことはだった。
「用意しておくから」
「楽しみにしておくな」
「それで何処のプールに行くの?」
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