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元虐められっ子の学園生活
進化と退化
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でしょう。
個人的にはそれでよかったと思いますけどね」

「…うん。
君に頼んで本当に良かったと思うよ」

頼んだ……?
俺はこの人から何かを頼まれたような記憶は一切ない。
だとすれば…………!

「もしかして平塚先生の依頼は―――」

「お姉さん、勘の良いガキは嫌いよ?」

そう言って俺の唇に指を当てる雪ノ下姉。
その瞬間、隣からドサッと重苦しい音が聞こえて思わず振り向いた。

「補助員、仕事をしなさい。
スローガン決定に伴う書類の製作、議事録、それから各団体へのスローガンの通達メールを送っておいて。それと今回にかかる費用の予想段階とその用途を纏めておいて。休んでいる暇は無いわ」

何故か冷たい目で俺を見下ろす雪ノ下が立っていた。
何処か不機嫌に感じるのは気のせいではないはずだ。

「あらあら雪乃ちゃん、もしかして―――」

「姉さんは帰って。
それが嫌なら手伝いなさい」

「……ふふっ。はーい」

そう言って去っていく雪ノ下姉……陽乃さん。

「なぁ、会計って聞こえたが会計はどこいった?」

「それなら相模さんの付き添いで体育館へと向かったわ。
客席の設置が間に合わないから手伝う、と」

………逃げたな。

「取り合えず費用の関係は全て終わっている。
平塚先生に引き継いであるから必要なら取りに行ってくれ」

「そ、そう。早いのね」

「作業開始から残業23時間は伊達じゃないってことだな」

「23時間………お前労働基準もへったくれもないな」

「俺は体調を崩したことはないからな。
睡眠時間だって3時間あれば余裕だ」

「……人間か?」

「見ればわかるだろ。息をして二酸化炭素増加させる所なんかは立派な人間だろう」

「それ以外は人間じゃないように聞こえるのだけど…」

こうして一日は過ぎていく。
慌ただしい日常はあと数日で終わりを迎える今日この頃、雪ノ下や比企谷との繋がりに少し強みを感じた日だった。

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