進化と退化
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」
「っは……じゃ、じゃあ今日は解散します…お疲れさまでした」
相模の声にちらほらと立ち上がって会議室から出ていく生徒たち。
俺は直ぐ様パソコンを開いて作業を開始した。
「無茶をしたな鳴滝…」
いつのまにか前に平塚先生が立っていた。
「平塚先生…ま、これが焚き付けになればそれでいいです。
誤解なんぞはただの装飾品。そのうち掠れて消えていくでしょう」
「比企谷と共闘するとは思わなかったがな」
「それは違います。
鳴滝とはたまたま意見が合っただけで共闘ではありません」
話を振られた比企谷は、顔をそらしながらそう言った。
「そうだったのか!?俺結構楽しかったんだけど…」
「楽しいって何だよ…相模のライフはゼロ通り越してマイナスだったぞ」
「俺の怒りはそれぐらいだったってことだ」
俺は笑いながらパソコンに目を落とした。
まぁこうした場合の展開なんぞ虐め生活からでも結構分かるからな。
妨害に警戒するようにしておこう。
こうして俺はその日一日を終えた。
基本的に俺が使うのはパソコンなので、バックアップを取っていて正解だった。
翌日、パソコンを着けたらフロッピーディスクが抜かれており、溜め息を付きながらバックアップを取っておいたUSBをセットするのだった。
最終日前日。
スローガンも無事に決まり、欠けることなく全員が集まった。
その日一日は慌ただしく、ホームページのテストアップにスローガンの入れ込み、機材の最終調整など、兎に角忙しかった。
俺はといえば比企谷と隣り合って雑務をこなしていた。
「そっちは終わったか?」
「もう少しかかる。
正確にはあと8行半」
「近隣報告の紙ってどこいった?」
「それなら雪ノ下に渡してある」
「ボランティア参加者の名簿は?」
「今終わった」
「「「……………」」」
流れるように作業する俺と比企谷を見て、周りは唖然とするが構っている暇はない。
数字に表して約94%が終わっており、かといって残りの6%がすぐ終わると言うわけでもない。
「やぁやぁ、頑張っているかね?」
「邪魔するなら消え去ってください」
「…………」
暫くして雪ノ下姉がやって来た。
俺はそれを足蹴にして追い払う。
「比企谷くぅん…」
「俺には何とも言えないです」
雪ノ下姉は比企谷にヘルプを頼むが、あっさりと流されて立ち尽くす。
「雪乃ちゃんを助けてくれてありがとう」
「…………別に。
俺は相模がムカついただけですから」
「それでもだよ。
今のあの子は憑き物が無くなったみたいに動いてる」
「雪ノ下自身に思うことがあったん
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