マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0934話
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「お、お、お前は一体……」
白炎と化した俺の姿を見ていた騎士が、自分の体験したことが信じられないとばかりに呟く。
他の騎士にしても同様で、金髪縦ロールを始めとして馬に乗ったままの騎士達も同様に信じられないものを見たといった風に視線をこちらに向けてくる。
それを無視し、ゆっくりと手をショートカットの女に伸ばして、剣を握っていることから利き手だろう右肩へと手を伸ばし……
「ぎゃああああああああああああっ!」
ショートカットの女が、女とも思えないような聞き苦しい悲鳴を上げる。
それはそうだろう。俺の握っている鎧の部分が、握力だけで砕かれているのだ。それはつまり、ショートカットの女の右肩の関節までもが鎧と共に握り潰され、砕かれているのと同じ事だ。
肩の骨が砕け、肉を裂き、皮膚を破り、砕かれた鎧の部分にぶつかると、その鎧の破片が肉体へと食い込んでいくのだから、悲鳴を上げるのは当然だった。
「ぎゃあ、ぎゃああああああ、ひぎゃああああああああ!」
続けて反対側の左肩も同様に鎧を肩の骨諸共に砕き……次の瞬間、再び俺へと向かって剣が振り下ろされる。
それを行ったのは、金髪縦ロールの女。
狙われた場所は、右肩ではなく頭部。
だが……所詮はただの物理攻撃である以上、俺に効果がある筈もない。
先程同様に白炎と化した俺をすり抜けるように剣先は地面へと叩きつけられるだけに終わった。
「黙ってろ」
パチンッと指を鳴らすと、俺の影から100本を超える影槍が伸びて騎士団全員を縛りあげる。
馬に乗っている者は影槍によって地面に引きずり下ろされて身動きが出来なくなり、金髪縦ロールは剣を振り下ろした状態のまま固まる。
「お前、お前、お前は一体……」
「実力の差を感じ取れなかったのがお前の不運だったな。それとも騎士団であれば誰もが無条件に屈するとでも思ったか? ……己の浅はかさを噛み締めながら、苦痛に啼け」
そう告げ、金属を容易に握り潰せるだけの力を持った右手を身動きが出来ないままの金髪縦ロールの右肩へと向け……次の瞬間、街道に甲高い悲鳴が暫くの間鳴り響くのだった。
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