マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0934話
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して――羊皮紙とか初めて見た――今回の件の交渉は終了する。
その後、イタリカの住人達からの莫大な歓声を受けつつ、空間倉庫から取り出したトラック型のエアカーの荷台に捕虜を乗せ、俺達もそのままイタリカを去る事になる。
影のゲートを使った方が良かったか? そんな風に考えつつも、イタリカの住人からの見送りを受けながらトラックでゆっくりと街道を進んで行く。
既に夜を過ぎて朝になっており、太陽が眩しい。
「なぁ、テュカ。武器の方は結局どのくらいの値段で売れたんだ?」
「そうね、結構な値段よ。暫くは働かなくても食べていけるくらい。日用雑貨の類もかなり譲って貰えたから、私達としては今回イタリカまで行ったのは大成功だったわね」
「で、行く時は武器を積んでいった代わりに、アルヌスの丘まで持ち帰るのが捕虜一同な訳だ」
後ろから聞こえてくるムウとテュカの会話を聞き、確かにと頷く。
傍から見れば、イタリカまで武器を持っていって売って、その金で奴隷を買ってきたように見えなくもない……か?
ふと気が付き、高畑の方へと視線を向けると、案の定嫌そうな顔をしている。
一応魔法界では奴隷が公式の存在としてあるんだから、慣れていると思うんだが。
まぁ、情に厚い高畑なのだから、その辺はしょうがないのか?
「……ん?」
そんな風に考えつつエアカーを運転していると、ふと前方から何かが近づいてきているのが分かる。
まだかなり遠く……それこそ、混沌精霊の俺だからこそ分かる距離だが、物凄い勢いで街道を走っているそれは、よく見れば騎兵の集団だ。
それも、ただの騎兵ではない。その全てが女であり、美形と表現してもおかしくはない者達。
身につけている鎧も中々に豪華なようだし、少なくても俺達が戦った盗賊の仲間とかではないだろう。
となると……ああ、もしかしてピニャが言ってた呼び寄せた援軍の騎士団か?
まぁ、イタリカも安全なんだし特に気にする必要も無いだろう。そう判断してすれ違おうとしたのだが、何を思ってか街道を遮るようにこちらの前へと進み出た。
そうなると、さすがにこのまま轢き殺す……なんて訳にもいかず、エアカーを止めることになる。
「何の用件だ」
その言葉が気にくわなかったのか、騎士団の中でも代表格を握っていると思われる女が目つきを鋭くする。
にしても、金髪の縦ロールとか……また、珍しいというかなんというか。
そう思いつつも、これまで幾多の世界で出会ってきた者達の顔を思い浮かべれば、そう珍しくはないかと思いもする。
「口の利き方に気をつけろ。……それでお前達、どこから来た? 妙な乗り物に乗っているが」
金髪縦ロールの副官的な立場か? ともあれ、ショートカットの女が居丈高にそう口を開く。
「この
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