第一物語・前半-未来会議編-
第五章 覇王の会議《3》
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いかもしれない。
「だろうな、学勢院側にはまだ長にしか伝えていない。伝えるな、とは言っていない。
しかし、まあ、伝えなかったということは――」
「その考えを否定する、ということですね」
「そう言うことだ」
飛豊は何故こんな話しをしているのか、分からない。
長であるセーラン本人は口笛を吹き、自分は関係無いと態度で現していたので後でぼこす。
まず辰ノ大花が見ているなかで、そもそもする話ではない。
知っていて何故言ってくれなかった。同じ覇王会だろう。
セーランは一体、何を考えているんだと思った。
日に照らされているせいもあるだろう、額に汗が浮かぶ。そして、その話しに宇天覇王会隊長である実之芽が割って入って来た。
「自分達の意思さえ決められないなんて、よくそんな状況で独立宣言をしたものね」
「申し訳無いな。何時までも来訪者を待たせているのはいけない。長よ、この話しはまた今度にしよう」
「お、おうよ」
「なに震えてるんダ?」
空子は震えているセーランに気付き、疑問に思いながら言葉を掛ける。
当のセーランは顔色が悪く、青ざめていた。
「べ、別に気にしてねえよ? フ、フラれたことに対してショ、シショ、ショックなんて受けてねえよ?」
「もろに受けてるだろ」
正門へと続く道の上で、その場にいる者達は立ち止まっていた。そしてその空間とは別に、空から大気を震わせる音が響いて来た。
何の音だと、聴こえる方に飛豊は体を向けた。
この音は貿易区域に行けばよく耳にする音だ。しかし、今はその音がとても恐ろしく感じた。
「まさか、この音は……」
「来たようね、貴方達を監視する者達が」
丁度、真上を通る軌道でやって来る幾つかの巨大なもの。
地上から目で、その姿を飛豊は捕らえる。
航空船? いや、あれは戦闘艦か!
遠くから戦闘艦がこちらへとやって来る。
数にして八艦が、日来を監視するためやって来た。
「つい先程まで、日来の警護用に配備されていた艦よ。戦闘艦にしては心もとないけど、日来程度の戦力ならいい働きをするわ」
言葉通りだ。それはここにいる面々、全員が分かっていたことだ。
彼らの元に、空から聴こえる音は徐々に近付いて来た。
●
会議場で日を遮るように、額に手を当たてていた榊が空を見ていた。
空には小型戦闘艦が八艦あり、日来に向かい真っ直ぐ航行していた。
「神州瑞穂の主戦力である奥州四圏のなかの更に主戦力の黄森の小型戦闘艦か。八艦ぐらい見えるなあ」
「終わった、日来が終わってしまいました!」
「おいおい、さっきまでの冷静さは何処に消えんだよ。そんなに焦んなくても平気だよ、砲撃なんてしやあしない。どうせまだ監視だけだ」
咲は榊の言葉を聞きながら空を見上げた。
小型と
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