第一物語・前半-未来会議編-
第五章 覇王の会議《3》
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が彼らとは違い、一人、ネフィアが正門の方を見ていた。
「あっちを見ているが何かあるのか?」
飛豊が問うと、ネフィアは顔を向けないまま指先を正門へと向けた。
「あのですね、正門から出ようとした宇天学勢院の皆様が何故か立ち止まっていますの」
「何か話しでもしているんじゃないか」
「話しているようには見えませんが……」
飛豊は正門の方を見るが、直線とはいえ百数メートル先のものをはっきりと見ることは出来なかった。
正門の様子は見えないので、近くにいるので確かに見えるネフィアの方を向く。
「ちょっと確認に行ってくる」
「うちも付いてくヨ」
「逃げきれたねー、トオキンー」
「全くだ。鎧甲に蹴りを入れられる身にもなってほしいものだな」
正門へと歩く二人を見ながら、一匹と一人の竜は言葉を交わした。
歩く二人が正門に続く道を行き、宇天学勢院の者達の元へ辿り着く。と、あることに気が付く。
「うん? てか、あれセーランじゃないか」
「また縄に縛られてるネ」
セーランは縄に縛られ、制服には地に引きずられたような汚れが目立つ。
近付く飛豊はその縄を持つ者を見た。
「社交院か」
「日来覇王会伝達者、岩清水・飛豊か。あの時の会議以来だな」
「……葉木原・功一郎」
飛豊の目には社交院の面々が映る。
縄を持つ者はそのなかの女性だ。
視線に気付き、縄を持つ女性が口を開いた。
「長が何処かに走り去ろうとしてしていたので、首にラリアット食らわせて連れて来た」
「魅鷺の姉さんのラリアットはマジやべえぞ。一瞬昇天しかけた」
セーランは縛られた身体を、全身の筋肉を使い跳ねていた。
見ていると、宇天学勢院側から声が聞こえてきた。
「何用かしら? わざわざ日来の社交院が出て来るなんて」
「これはすまない。会議を見ていたら何やら勝手に独立宣言をしていたのでな、介入しようとして来てみたら既に終わっていた」
「よく言うわね」
「ふん、少し話しをしようか」
そう言い、相手の答えを聞かず話し始める。
「私達、社交院側としては争いを望んでいない」
「だけど貴方達の学勢院は違うみたいね」
威圧するかのように、鋭い視線を相手に送る。
若くして視線だけで相手を威圧する力に関心を覚えつつ、葉木原はその視線とやり合うように視線を合わせる。
「確かに私達も昔は争うことを考えていた、これは認めよう。しかし、もう私達の戦意は喪失している」
「それは何でかしら?」
「日来を終わらせるからだよ」
言葉を聞き、飛豊が前に一歩踏み込む。
「そんな話し聞いてませんよ!」
聞いていない、そのような話しは。
独立するという同一目的の筈が、何故、今頃になって変えてきたのか分からなかった。
いや、理解出来なかった。と言う方が正し
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