第一物語・前半-未来会議編-
第五章 覇王の会議《3》
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声を返す。
新任の教員で三年生を任されたのは驚いたが、それだけ信頼があってのことなのだろうか。
だとしたら私も成長しましたね。これから争うかも分からないのに、平然としてられるなんて。て、あれ? この感覚はヤバくないですか? 戦争慣れはいけませんよ! 私!
一人で何か言っている咲を、榊は首を傾げて見ていた。
そんなことをしていると、会議場から声が聞こえてきた。
「お集まりのなか悪いんだけどさ、俺のナンパの返事。まだ返って来てないんだけども」
「喧嘩吹っ掛けた相手にナンパって馬鹿かお前は!」
「だって俺、馬鹿長だぜ?」
「そうだったな、お前は馬鹿だった」
はっきりと言うセーランに、飛豊は額に手をやりため息を付く。
セーランは机から飛び降り、宇天学勢院の方へ歩いた。
「で、どうなのよ。俺と付き合う?」
「すまない! それは出来無い!」
速答だった。
傷付いたが、これで挫けないのが漢と言うものだ。
「でも俺、諦めないなら!」
「おーい、フラれたショックで何処に行くんだセーラン」
「心の傷を癒しに行ってくるぜえい」
そう告げ、セーランはフラれた傷を癒すため全速力で正門を目指した。
遠くへ走っていくセーランを見つつ、口で飛豊はなんとも言えなかった。
ノリで告っておいて、何傷付いてんだアイツ。てか、今日好きな子に告るってまさか宇天覇王会の長だったのか? いや、ただ馬鹿だからふざけただけだよな。……まさか、さすがにそれはないだろう。
セーランの姿が見えなくなり、飛豊は嫌だが宇天学勢院の方へと近寄った。
宇天覇王会隊長の視線が鋭く、こちらを射抜くように向けられる。
心臓が締め付けられるかのような感覚が、胸の辺りにある。
「気にしないでくれ。周りから馬鹿長呼ばわりされる程の馬鹿なんだ」
「いきなり告るなんて、恥知らずの長なのね」
「そういう奴なんだよアイツは」
「自分達はもう行くで御座るよ。この会議は意味あるものに御座った」
「そう言われるとありがたい。私達も意味がある会議だった」
宇天覇王会の忍者が握手を求めてきたので、それに応じる。
普通に握り、数回振って離す。それだけの行為だが、心を落ち着かせてくれた。
意味があったか……それはどんな意味何だろうな。
そんなことを思いながら、飛豊は彼らに顔を向ける。
「日来の代表として言わせてもらう。今回は来てくれてありがとう、また会う日まで」
「なら奥州四圏の代表として言わせてもらうわ。また会う日は日来の最後よ。その日が遠退くように、下手な動きは見せないことね」
「ぶー、あの女、感じ悪ーい!」
「ニチアも同じことを思われてるに違いないな」
「確かに、宇天の長に喧嘩吹っ掛けたからね」
うるさーい、と日来の指揮官補佐が騒いでいる
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