第一物語・前半-未来会議編-
第五章 覇王の会議《3》
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れを見て、ため息を一つ入れた。
「二人は空子に任せるとして、会議に戻ろうか」
「それじゃあ、始まりは分からないってことね」
「その通り。でも今ぐったりしてる僕達の長なら何か知ってるだろうけど」
その長であるセーランに視線を向けるが、彼はまだ気絶している。
視線を戻し、その間。落ち込んでいた二人は空子の努力の末、どうやら少し立ち直ったのが見えた。
戻したならば、言葉の続きを口にする。
「資源は上手く行けば貿易無しで賄える。再利用すれば日来の資源はかなり保つね」
「日来存続のための防衛に資源はまず最初に尽きるだろう。そうだとしても最低一年保つようには計算している」
「抜け目無いわね」
「当たり前だよ。それくらいしてもまだ足りないくらいなんだから」
結果、何もせずにただ存続のために防衛をし続ければ、日来はいずれ消える。
だから、抗うために戦う術を見つけた。
それが、
「日来は動くよ」
「そうね、動かなければ消えるだけだものね」
予想していたよりも、彼方の反応は薄いものだった。
意味はちゃんと伝わってないみたいだね。
別に伝わっていないのならば、そちらの方がことを運ぶには好都合だ。
話すことはもう話した。レヴァーシンクは皆に視線を向け、首を傾ける。
“まだ会議を行うかい?”と。
皆の反応は首を横に振るもので、それを踏まえて発言する。
「だから僕達日来はこれ以上この会議を行う意味が無い。どうするんだい、そっちは。まだ会議を続けるかい」
「そちらが必要無いのならこちらも必要無いわ。だけど忠告しておくわ、日来は既に神州瑞穂の、世界の敵よ」
「解り切ってることだよ。咲先生、もう会議必要ありません」
レヴァーシンクは咲の方を向き、会議がこれ以上必要無いことを告げる。
聞いて咲は横にいる榊と、宇天学勢院の教員二人に確認を取る。
「どうしますか」
「双方同じ意見だからいいんじゃない?」
「榊と同じだ」
「そうかい。だけどいいのかい、それで。もう後戻り出来無いよ」
「後戻り出来無いのなら、もう進むしかないよね」
榊の言葉を消すように、会議終了を告げる警報が鳴り響く。が、その時だ。
何かが壊れる音がした後に会議場に立ち上がる者が一人いる。
「てちょっと待て――い! そっちの長さん何も言ってねえぞおい」
日来側の机に、日来学勢院の長であるセーランが立つ。
銀の縄に椅子ごと縛られていた筈だが、椅子を壊して抜け出したらしい。
「椅子を壊してまで抜け出すとは、しぶといですわね」
「全く、お前って奴は……」
「まだまだ甘えよ。てか、それよりそっちの長さん何も発言してなくね? いいのかよ」
セーランは宇天覇王会の長を指しながら言った。
その問いに宇天覇王会の長である奏
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