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リリなのinボクらの太陽サーガ

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……!? あの事故のせいで、私は……私は……!!』

『か、母さん、落ち着いて……』

『これが落ち着いていられる!? あの事故は外部に犠牲者は出なかった、私の愛する娘のアリシアを除いて! あの男、イエガーは私に全ての罪を押し付けて、さも被害者のふりをしていたのよ!? 私達家族の方が被害者だというのに、こんな事が許せるわけないでしょう!』

「おまえの怒りはよくわかったから、とにかく落ち着いてくれ。状況の整理をしたい」

『ハァー、ハァーッ! そ、そうね……あの男に一泡吹かせるのは裁判でやることだものね。今重要なのは、切り札の証拠を手に入れる事よね……!』

「ああ。だがその前に気になる事がある。二人組の仮面の男についてだ」

『これは私達も見当が付かないわ。……というよりあなた、実は想像がついているんじゃない?』

「……まあ、な。決めつけないように答えは避けておくが、あいつらが何の目的でここに来ているのか、それも知る必要があるだろう。次に“試作品”と呼ばれていたものについてだ。これはもしや、実験初期段階の『SEED』なんじゃないか?」

『可能性はあるわね、何度も試作や実験を繰り返す事でプロジェクトは進めるものだもの。初期段階の装置があってもおかしくはないわ。それに調べておけばSEEDの詳細を知る事も出来るかもしれない』

「わかった……エレン、これから調査のために地下2階に向かう。いいな?」

『了解しました。敵に注意して進んで下さい』

無線を終えて、再びダクトの中を進んでいく。下に降りる穴を見つけて飛び降り、しゃがんで周囲の索敵を行う。ここからエレベーターの所に行くまではぐるりと外周通路を通って回り込む必要がある……が、それは普通の人間の話だ。こちらに視線が向いていない隙を狙って、俺は手すりを掴み、1階へ直接飛び降りる。着地するとすぐに地面を転がり、身を潜める。

「ん、何の音だ……? …………気のせいか」

調べに来た武装社員は何も変化が無いと判断し、すぐに戻って行った。エレベーターまで誰も見ていない……今だ。

スイッチを押してエレベーターを呼び、到着と同時にすぐ乗る。行き先を指定して地下2階を選択、エレベーターが動き出す。そして地下2階に到達し、通路を身を潜めながら移動し、通気口に再び潜って進んでいく。下から光が差す金網があり、そこから部屋を覗き込んだ瞬間、俺は一瞬言葉を失った。

「なんだ……これは……!?」

部屋の中には無数のシリンダーがあり、その中には異形の姿をしていた人間の赤子らしき物体が浮かんでいた。機能は停止されているのか、中央の巨大な装置やシリンダーの生命維持装置は動いておらず、彼らに生命反応は一切感じられなかった。

周波数140.85からCALL。


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