四十九話:Good bye my world
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なら、その顔が余りにもヴィクトルに似ていたからである。ルドガーはユリウスの懐から時計を奪い取り、ジュード達の方に向き直る。
『お前……っ!』
『まさか!』
ルドガーは時計を二つ同時構え、スリークオーター骸殻へと変身する。そして、突然の事態に困惑するジュード達へと襲い掛かっていく。祐斗はその姿が自分達に刃を向けて来た時よりも遥かに鬼気迫るものであることに愕然とする。そして確信する。ルドガーは、仲間達を皆殺しにするつもりなのだ。大切な者を守る為に……かつてヴィクトルがやったのと同じように。
『なにを!?』
『兄さんを守る! お前達を皆殺しにてでも!』
ローエンと斬り結びながらルドガーは雄叫びを上げる。そんなところにレイアが昆で上空からルドガーに襲い掛かってくるがルドガーはそれを軽々と躱し、すぐさま反撃に出る。
『やめてってば!』
『やめろだって? 俺のたった一人の“家族”を殺そうとしているのによくそんな口がきけるな!』
『ル、ルドガー……きゃあっ!』
レイアと互いの武器をぶつけ合うが骸殻の第三段階に移行したルドガーにレイアが力で勝てるはずもなくあっけなく吹き飛ばされてしまう。そして再びローエンへと襲い掛かっていく。応戦するローエンだったがこちらも骸殻の前になすすべなく吹き飛ばされてしまう。そしてローエンを吹き飛ばした直後にティポが術を撃ちだして来るがルドガーはそれを躱し、蹴り飛ばす。
『はあっ!』
『エリーゼ!』
その直後に飛び上がり、エリーゼに向けて巨大な衝撃波を飛ばすが間一髪でアルヴィンがエリーゼを抱きかかえて避ける事に成功する。ルドガーの戦い方は弱い者から消していくという冷徹な実戦方式であった。そして、ルドガーは再び飛び上がり、ミュゼを切り落とす。その後、橋に着陸したルドガーは向かい側に居るガイアスと無言で向かい合い。同時駆け出す。
『『おおおっ!』』
槍と長刀がぶつかり合い、激しい衝撃波を生み出す。そんな様子にユリウスは止めることも出来ずにただ茫然と弟の行為を見つめる事しか出来ない。そして、ルドガーは橋の上から飛び降りて来てユリウスを守るようにその前に立つ。そこにジュードが殴りかかって来るがルドガーはそれを双剣で受け止める。
『ルドガー……』
『何を辛そうにしているんだ、ジュード? これが他人の世界を壊すってことだろ』
未だに悩むジュードに対してルドガーは軽蔑するかのように吐き捨てる。今まで彼等はルドガーを支えてきてくれた。しかし、ルドガーを支えたのであって、その罪を共に支えてきたわけではない。彼等は自分達も同じ罪を背負うなどと綺麗事を言っていたが、結局の所、ルドガーを気遣っていただけだ。
同じ
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