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『ある転生者の奮闘記』
TURN22
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「お久しぶりです司令官……失礼、今は司令長官でしたね」

 摩耶に乗艦すると、あの時の副官が出迎えてくれていた。

「久しぶりやな伊藤。悪いけど直ぐに出撃する。準備は完了しているか?」

「勿論です」

「よし、ならば第四戦隊は直ちに出撃や」

「了解です。摩耶出撃ッ!!」

「微速前進0.5ッ!!」

 摩耶が横須賀の桟橋を離れた。他の高雄や愛宕の三隻も桟橋を離れた。

「摩耶上昇ッ!!」

 摩耶の下部スラスターが噴射して摩耶を上昇させる。

「速度第一戦速ッ!!」

「速度第一戦速ヨーソローッ!!」

 そして第四戦隊は惑星東京の大気圏を離脱した。

「速度は巡航で維持や。このままワープゲートに向かえ」

「ヨーソローッ!!」

 四隻の第四戦隊は座標を入力してワープゲートに入った。




――アラビア星域――

「南遣方面艦隊司令長官就任おめでとうユキカゼ」

「おぅラスシャラか、ありがとうな」

 アラビア星域に到着した第四戦隊は駐留する日本艦隊と合流して摩耶に提督を呼び出していたがもうすぐ全員が集まるな。

「最初はラスシャラか」

「そうみたいだな。というか名簿は見てないのか?」

「誰かという楽しみはとっておきたいんや」

「そういうものか……」

 ラスシャラはそう呟いた。

 そして十分後、呼び出していた提督全員が集まった。

「……諸君、俺が南遣方面艦隊司令長官に就任した狹霧雪風だ」

 集まった提督達に俺はそう言った。

「似合うぞユキカゼッ!!」

「へぇ、中々かっこよくしているじゃん」

「……水を刺すように言うなよキャシー、マリー」

 俺はキャシーとマリーを見る。

「まぁ普段の狹霧だと信じられないからねぇ」

「……同感だな」

「……そりゃないっすよ南雲提督、山下長官」

 俺は溜め息を吐いた。一応この五人が南遣方面艦隊の提督達やな。

 山下長官は陸軍部隊やけどな。

 南雲提督は相変わらずの巨乳……じゃなかった輸送艦隊を率いている。キャシーは駆逐艦を主力にした駆逐艦隊。ラスシャラは巡洋艦を主力にした巡洋艦隊。マリーは大型空母一、中型空母三隻を中心にした空母艦隊。山下長官は陸軍側の戦艦を主力にした戦艦部隊となっている。

「この南遣方面艦隊の目的はただ一つ、マダラスカル星域とスエズ星域から侵攻してくるエイリス艦隊を此処で食い止める事や」

「此方が侵攻はしないのか?」

 山下長官が聞いてくる。

「無理ですよ山下長官。そもそも戦力が足りない。漸く艦隊を揃えるくらいになっている状況なんですから侵攻なんぞ夢のまた夢です」

 俺はそう
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