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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-28
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「……そうだな」


 二人は静かに部屋を後にした。
 廊下に出ると先ほどまでの騒がしさはなく、物音一つない静寂な空間が広がっているだけだった。その中を臆することなく歩く二人。
 やがてブリーフィングルームの前に差し掛かる。襖は全壊に開かれ、モニターを前にして腕を組みながら考え事をしているようだった。


「――――誰だっ」
「……気配を読み取りますか、さすがです織斑先生」
「……御袰衣に束……? 何をしに来た。今は部屋で待機だぞ」
「いえ、そちらの弟さんが失敗した作戦を俺たち二人でやろうってだけですよ」
「別にいいよね、ちーちゃん」


 千冬は内心舌打ちをした。この暴走事件を起こした犯人に目星をつけていたのだ。そもそもISは、コアがブラックボックスとなっている。その他パーツで暴走するのであればこんなことにはならない。独立して動くにはコアに何かしらの異常があったと考えるのが普通だ。そしてそれが偶然重なったとは可能性がないとはいえないが、まずないだろう。よって目の前にいる篠ノ之束が起こしたと千冬は睨んでいた。


「……はあっ。頼んでいいのか?」
「もちのろんだよ? ちーちゃん。それに妹の不始末の後始末はおねーちゃんの役目ってね」
「…………よろしく頼む」
「この束さんにまっかせておいてっ」


 少し時間を食われたが、どうやらシルバリオ・ゴスペル――――銀の福音は三人に仕掛けられたところから動いていないようだった。ならば、辿り着くのはたやすい。
 砂浜についた二人は頷き合う。


「いくぞ、新星黒天(しんせいこくてん)
「おいで、新星白天(しんせいびゃくてん)


 光に包まれた二人は、刹那の間に黒と白を纏った。やがて空に二本の軌跡を描いて水平線に消えていった。
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