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『八神はやて』は舞い降りた
第4章 戦争と平和
第36話 八神は駒王にて最強…覚えておけ
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ゼノヴィアはデュランダルを現出し、アーシアを背後に庇っている。ギャスパー・ウラディは、木の陰に隠れ、兵藤一誠と匙元士郎は神器をそれぞれ起動させた。
 兵藤一誠の手は、赤い籠手『赤龍帝の籠手(ブーステッドギア)』に包まれ、匙元士郎は、手の甲にトカゲのようなものが現れた。『黒い龍脈(アブソープション・ライン)』と呼ばれる神器である。
 レアな神器であり、彼の主ソーナ・シトリーは、眷属にするために『兵士(ポーン)』4体を消費したほどである。


「はやてさん、そこにいては危険です。逃げてください!」


 アザゼルを中心に、ぐるりと悪魔陣営が囲む中、ボクはアザゼルの側で平然としている。
 八神家は中立とはいえ、悪魔陣営の協力者。敵対する堕天使のトップの側にいるのは、確かに危険だろう。――いままでならば。


「心配することはないよ、アーシア。この場でコイツが騒動を起せば、すぐに戦争一直線。何のために堕天使総督がわざわざ悪魔領の駒王町に来たのか考えればいい」

「八神の言う通りだ。ここで騒ぎを起こすなんて野暮な真似はしねえよ。」


 ボクたちの言葉で若干弛緩した空気が漂うなか、アザゼルの神器オタっぷりがさく裂した。コイツは堕天使の総督をやるよりも、研究者の方があっているのかもな。
 ギャスパー・ウラディの神器のコントロール方法と、匙元士郎の神器のパワーアップ方法について助言し、彼らの成長に大いに貢献するのだった。
 原作通り先生になっても、案外向いているのかもしれない。


 ――それを許す気はさらさらないが。





「八神は駒王にて最強…覚えておけ」


 くそっ、ここまで手も足もでないとは。眼前の少女――はやてをみて歯噛みする。
 きっかけは、はやてからの提案だった。
 曰く、英雄派と模擬戦をしたい。敗者は、勝利した方の言うことを聞く。
 俺とてはやてと戦いたとは常々思っていたし、英雄派の幹部たちも同様だった。
 というよりも、俺がはやてに入れ込み過ぎていて、八神家に対する風当たりが強くなっているのが問題だった。


 ここで八神家のメンバーの力を見せつければ、よいガス抜きになるだろう。
 ついでに勝利すれば、あわよくばはやてと、あんなことやこんなことをしようと妄想していた。
 その結果がこれだ。制限付きだとはいえ、俺ははやてに完封された。
 クリーンヒットすら一つもない。完敗だ。これでは英雄派のトップとして面目が立たないな。
 いや、八神家を英雄派に認めさせるという点では大成功だろう。


「純粋な剣技でここまで圧倒されるとは、シグナム師匠、数々の非礼をお許しください」


 腰に何本も帯剣した優男ジークフリートが、シグナムに師事を乞おうとしている。誠実さを
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