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『八神はやて』は舞い降りた
第4章 戦争と平和
第36話 八神は駒王にて最強…覚えておけ
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 人間の要素を持つゆえに、『停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)』と呼ばれる神器を宿している。魔法の扱いにもたけている新進気鋭の悪魔である。


 神器は「時間を止める」とんでもない性能をもつ。才能だけなら、若手悪魔ではトップクラスといってよいだろう。
 しかし、まだ力の制御が不十分で、暴走することもある。
 本来未熟なリアス・グレモリーがア使いこなせる人物ではない。ゆえに、彼女の『僧侶(ビショップ)』でありながら、使用を禁止されてきたのだ。
 コカビエル戦で木場祐斗が禁手化(バランスブレイク)し、赤龍帝やデュランダル使いを陣営に加えたリアス・グレモリーは、資格十分として、ギャスパー・ウラディの使用が解禁されたのである。
 もっとも、自らの力の暴走を恐れて引きこもりになったままだったので、こうやってゼノヴィアが無理やり外に出しているわけだが。


「段ボールの中が落ち着く、とか言っていたらしいな。誰にも見せることのない引きこもりのくせに、女装趣味とかおかしくね? コスプレって基本見せるためにするもんだろうに」

「彼女……いや、彼か、は似合っているからいいんじゃないか。どこかの魔法少女と違って」


 何やら匙元士郎と兵藤一誠が話している。魔法少女について、兵藤一誠が意味深な目線をこちらに向けてきている。
 ボクなんかの魔法少女力ではだめということなのだろう。やはり、ミルたんレベルでなくてはいけない。道先は長いな。


「あ、あの、私ゼノヴィアさんを止めてきます――きゃっ」


 心優しいアーシア・アルジェントは、席から立ち上がりゼノヴィアを止めにいこうとして、誰かにぶつかった。


「も、申し訳ありません」

「いや、気にしてねえよ。こっちこそ急にあらわれて悪かったお嬢さん」


 どこかでみたワイルドなおっさん。浴衣姿で軽いノリのこいつは――。


「アザゼル、なぜここにいる?」


 ボクがつぶやくと、アザゼルはニタリと笑いを浮かべた。周囲を見渡すと、兵藤一誠たちが驚愕の表情を浮かべている。
 いつの間にか近くにきていたゼノヴィアとギャスパー・ウラディも身体を停止していた。


「え、八神さん。いまアザゼルっていってなかった? 冗談……だよね」

「いやいや、冗談じゃねえよ。俺が堕天使総督のアザゼルだ。ほらよっ」


 軽薄そうな笑みを浮かべながら、堕天使の黒い羽根をだし、威圧する。


「よう、グレモリー眷属は初めましてだな。はやては久しぶりだ」

「貴様に名前を呼ぶ許可を出した覚えはない」

「おっかねえな、八神。そちらさんも八神くらい落ち着いたらどうだ?」


 辺りを見ると、臨戦態勢をとったグレモリー眷属がいた。
 
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