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『ある転生者の奮闘記』
TURN21
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「……といって何で技研にいるんだい?」

「……皆さんの視線に耐えられなかったんです」

 俺は技研にいた。

「あのねぇ、僕だって御波(みなみ)を愛でるのに忙しいんだからね」

 津波の赤ちゃんを背負った茂が文句を言う。

 ちなみに赤ちゃんは先月生まれたらしい。俺が海軍を辞めてから入れ違いに生まれたらしい。

「いや仕事しろよ」

「僕は君にも同じ事を言うよ」

「お前に御波ちゃんを任せたら処女食いそうやからな」

「だから僕は津波一筋だって言っているだろうッ!!」

「ふえぇぇぇーーんッ!!」

 茂の叫び声に御波ちゃんが泣き出した。

「あ〜あ、泣〜かした泣〜かした」

 俺は茂をからかう。

「うるさいオタクッ!!」

「人の事言えんのかてめぇッ!!」

「ふえぇぇぇーーんッ!!」

バキッ!! ドカッ!!

「……五月蝿い。御波を泣かすな」

 い……いつの間にかスパナを持った津波が俺と茂をどついていた。

「……よしよし」

 津波は慣れた手付きで御波ちゃんをあやしている。

「……母親やなぁ」

「……親子丼って萌えない?」

「津波ぃ、警察呼んだ方がええで」

「……納得」

「ちょッ!?」

 何か茂が驚いてるけど気にしたら負けやろな。負けやな。

「大丈夫、御波は私が育てるから」

「津波ぃ〜」

 茂が泣きながら謝っている。馬鹿なやつめ。

「そういや茂。ちょっちこい」

「何だよ雪風?」

 俺と茂は外に出た。

「……ハワイ星域からカナダ星域に繋がるワープゲートは見つかったんか?」

「……残念だけどワープゲートは発見出来なかったよ。三万機の無人探査機を送り込んだけど全て反応は無かった」

「……そうか。コアルートか……」

 あのルートはなぁ、ガメリカが蹂躙されるからな。流石にガメリカざまぁとは思われへんな。

「一応コアルートに備えて主砲を新たに換装する予定だよ」

「また変えるんか?」

「いや第四戦隊全てだね。速度も新しい機関を交換するし装甲も増やす予定だ。それと主砲なんだけど短砲身の主砲なんだ。これを見たら雪風もニヤリと笑うよ」

「どれどれ……」

 茂がデータを見せてくれたので見る……成る程な。

「成る程成る程……そう来たか茂」

「やっぱりニヤリと笑ったね。そうだよ、口径は小さいから射程は短くなるけど主砲は三十.五サンチだから巡洋艦同士の対戦なら勝機は十分にある」

「分かった。開発は急がせてくれよな?」

「もちのろんだよ」

 茂はニヤリと笑う。そろそろ時間やな。

「そろそろ行くわ。東郷長官に挨拶は
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