勃発〜sudden occurrence〜
[8]前話
二日後
「瑠璃姫様!湊真様!バージスが攻めてきました!いかがいたしましょう?」と兵士が慌てながら王室に飛び込んでくる。
「はじまってしまったのですね。」と瑠璃。
「敵兵はどうなってる?」と湊真。
「数は2000程度です。おそらく海の道を使ってくるのではないでしょうか?」と近衛兵が視認可能な敵兵の数を告げる。あくまでこれは"視認可能な"である。
「晃政どう思う?」と湊真は言う。
「そうだな〜。海の道はフェイクだろうな。ほとんどそこには来ない。敵は海を泳いで渡ってくる」
晃政は言う。
(海を渡る戦法か。随分大胆な作戦じゃないか。兵士の体力を消耗するが、確実に奇襲を成功させて長引かせない点リスクはあるが、うまい作戦だ。
上手くやられたらこちらにとって痛手になるのは間違いない。
晃政の情報があって助かったな。)
それを聞いて湊真は指示を出す。
「海道に配置する人数を最小限にする。他は昴、俺、慧斗、慶星の指示に従い海岸を警戒。海道部隊は柚樹が指揮しろ。」
「了解!」
全部隊が城を出発し、それぞれの配置に移動する。
1人城に残った湊真は、自室に戻り、作戦まで待機することにした。
1人と言っても、大将格が1人という事だ。
もちろん、給仕の人、つまりメイドや執事、料理人、その他もろもろは城にいる。
兵の300程も城に常駐していた。
ほのかもそのうちの一人であるが、彼女は扱いが違う。
彼女は魔導師で、位階としても大将補佐という高い地位である。
この国、ラピスの位階制度
以下の通りである。
王族
大将
大将補佐
小隊長クラス
研究所所属学者
近衛兵
一般兵
これは軍の位階制度であり、一般人はこれに含まれない。
部屋で待機。
彼の役目はまだ来ない。
今回の戦い、彼は遊撃部隊として存在する。
各大将に敵の大将が一対一になるとは限らない。だからこそ、そこに加勢し、一対一の状況を作るためにいるのだ。
大将の中で唯一高速飛行が可能な俺だからこそできる役目だ。
「湊真さん」扉越しに呼ぶ声が聞こえる。
ほのかだ。
「ん?なんだ?」
「戦闘が始まりました。」
「予想外だな。わかった。すぐいく。」
返事をすると、ベッドから起き上がり、武器を手に部屋を出る。
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