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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
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疲れさん一輝。お前のおかげで旗印が取り戻せたし、うちにも被害は出なかった。」
「・・・その分、肩代わりしたやつらがいただけの話だよ。それに、俺は最後に出てきておいしいところを持ってっただけなんだから。」
「それにしても、だろ。つかなんだよあのギフトゲーム。全然内容がわかんねえぞ。」
十六夜はそう言いながら知的好奇心に満たされたような表情を造り、“一族の物語 ―我/汝、悪である―”の契約書類を取り出す。
そこに記されているのは、誰かが語るような口調の文章。今現在それが何を意味するのかを知っているのは、二人しかいない。それ以外のものが見ても何も分からないような、そんな文章。
「こんなんだってのに、この中にちゃんと勝利条件と敗北条件が記されてるんだよな?なんだそれわくわくするじゃねえか!」
「そいつはどうも。さらにヒントを上げるのなら、勝利条件に敗北条件、その勝利条件に挑戦する権利を得るための条件等々、それはもう大量の事柄が記されてる。」
「なんだそれマジかよ!」
ヤハハハ!と普段以上の笑みを造り、普段以上に大きな声で笑う十六夜。その姿は他の誰かが見たのなら違和感を感じないであろう程によくできていたが、一輝はその全てに違和感を感じていた。そのことと関係があるのかは分からないが、十六夜の持つ契約書類は中々に傷んでいる。
「あとは、そうだな・・・あんまりヒントをやりすぎても詰まらんからやめとくが、解くにあたって“鬼道”の一族がどんなものなのか、って情報が必要になる。」
「そんなもん、持ってるやつがいるのかよ。」
「俺と湖札、つまりは主催者側の人間くらいだな。強いて言うなら清明も少しは知ってそうだし、ヤシロちゃんも何かを察してるかも。」
自分自身が滅びの物語を集めているせいか、ヤシロは滅びというものに敏感だ。だからこそ、一輝のギフトが持つ滅びの濃さも、一輝が召喚した存在がなんなのかも、知っているはず。一輝はそう推測した。
「ま、知識不足も悪いのはそっちなんだ。頑張って推測したまえよ。」
「そうさせてもらうぜ。あれか?普段の一輝なんかも参考に出来たりするのか?」
「情報源にはなるんじゃないか?ってか、情報源になるものがそれくらいしかないだろ。」
「全くだ。ったく、なんだよこの無理ゲー!」
一輝がそう言うと、十六夜は再び笑う。ヤハハハハハハハ!と、とても愉快そうに、とても楽しそうに。そう見えるように。
なぜなら・・・その時十六夜が感じていたのは、圧倒的なまでの差なのだから。
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「ふぅ・・・ようやくこのベッド生活からも解放、か。起きてる間だけでも、かなり長かったな・・・」
ベッドの上でそう言いながら伸びをした一輝は、ぐるっと部屋を見回す。
意識を取り戻すこと
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