第73話 愛車の手入れは自分でやろう
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悪い人達じゃなかった筈なのになぁ」
「うん、まぁ……何時もならすぐに止めてくれるんでしょうっすけどねぇ……今はちょっとそれが通じない状態だったりするんすよ」
「まぁあれですよ。あそこの奴らは皆また子さんと同じ猪頭なんですよ」
「先輩! あんたは毎回人の事を猪扱いしないと気がすまないんすかぁ!?」
「そりゃそうでしょう。何せ貴方は猪のお腹から生まれた猪女なんでしょ?」
「絶対違うっすよ! 人の事何神話生物扱いしてるんすかぁ!?」
「わぁわぁ、こんなとこで喧嘩しないでよ! 幾ら私でも其処まで面倒見きれないからさぁ!」
前方では桂の手勢からの激しい砲撃、後方からはまた子と武市の激しい口論が勃発していた。流石にこの二つを一気に解決するのは無理の一言だと言える。
そして、そんな場の空気を全く読まない行為をしている一同の元へ再度砲撃が浴びせられる。
しかも今度はまたしても甲板直撃コースを通っていた。自分たちに向かい真っ直ぐに飛んでくる真っ黒い真ん丸な砲弾。
「げぇっ! また直撃コース来たっすよぉ!」
「おおお、落ち着きなさいみなさん! 此処は先に取り乱した方が危ない危ないあぶあぶあぶあぶ……助けてママ〜〜ン!!」
「って、先輩が先に取り乱しているじゃないっすかぁ!」
「だから喧嘩してる場合じゃないってばぁ! どうしようどうしようどうしようぅぅぅぅ!」
最早事態の収拾が出来なくなり仕舞にはなのはまでもがパニックに陥りだしてしまった。そんな一同の元へ無情にも迫る砲弾。遂には砲弾が激突し凄まじい爆発が起こった。今度こそ撃沈出来たか?
砲撃をしていた桂側の攘夷志士達は誰もがそう思っていた。
だが、その思いは黒煙が晴れるのと同時に何処かへ消え去ってしまった。
黒煙が晴れた後に見えたのは、未だ健在している高杉派の偽装船と、それを覆い尽くすように張り巡らされた謎の光の壁であった。
先ほど放った砲弾はどうやらあの光の壁により完全に遮られてしまったようだ。
その光景に驚く桂側の攘夷志士達。そして、それは勿論高杉側の攘夷志士達もまた同じであった。
突然自分たちの船の周囲に謎の光の壁が張られたのだから辺りでは大慌てである。
無論、それは甲板に居たまた子や武市も例外ではなかった。
「な、何すか? これ」
「ふうむ、どうやらこれのお陰で私達は助かったようですねぇ。いやぁ設け儲け」
「まぁ、確かにそうっすけど……でもこの船にバリアなんて何時積んでたんすかぁ?」
「そんな物最初から積み込んでいませんよ。また子さんが用意なさったんではないんですか?」
「してないっすよ。それじゃ一体誰が―――」
誰がこれを用意したのか? その疑問は目の前に居るなのはを見た時点で払拭された。二人の前では両手を上空へ翳している
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