第73話 愛車の手入れは自分でやろう
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間に入って喧嘩の仲裁をしようとする命知らずが居た。
一体誰が仲裁をしているのか? 気になった者達が一旦その場に立ち止りその勇気ある者を見た。
其処に居たのは小さな子供でありその子供がまた子と武市の間に割って入って仲裁を行っていたのだ。
「さっきから外が喧しいけどあれって何? 何かのお祭りとか?」
「残念ながら違いますよ。あれはあの桂小太郎と言うあんちくしょうの手勢です。どうやら私の秘蔵のグッズを目当てに襲ってきたのでしょう。厄介極まりない奴らですこんちくしょう」
「絶対違うっすよ! 最初のそれはあってたかも知れないっすけど後半は全く違うっすよ」
「良いじゃないですか。ほらあれですよ。類は友を呼ぶって有名な言葉があるじゃないですか」
「それをあんたに当て嵌めるのは失礼じゃないっすか?」
途中からまたしても喧嘩が勃発してしまった。まぁ、要するに外でドンパチやらかしているのはあの桂の子分達のようだ。
「なんだ、それなら私に任せてよ」
自信あり気になのはは自分の胸を叩いて見せた。
「桂さん達とは知り合いだから私が止めに入ったらきっと止めてくれる筈だからさ」
「え? いや、それはないと思うんすけど」
「大丈夫大丈夫。ちゃっちゃと止めてくるから小舟に乗った気で待っててよ」
「いや、それを言うなら泥船の間違いじゃないっすかぁ!?」
「また子さん、違いますよ。正しくは大船ですよ。全く、これだから猪頭の相手は疲れるんですよ」
「言ってる場合っすかぁ!? って、あぁ! そんな事している間にぃぃ!」
また子と武市の変わらない漫才になど興味を示す事なく、なのはは勇み足で外へと出向いて行った。現在上空では桂の手勢による激しい砲撃が見舞われている。
幸い直撃こそない物のこんな状態で甲板に躍り出るのは自殺行為以外ない。
まして、そんな場所で両手を激しく振って自己主張をしようものなら、正しく殺して下さいと言っているようなものなのである。
「お〜〜い、お〜〜い!」
そして、現在進行形でなのははそれを実践しているのであった。甲板の上に躍り出て激しく砲撃している艦隊に向かい小さな体と両手を使い激しく自己をアピールしている。ぶっちゃけた話狙いやすい的でしかない。
「ちょっ、そんな事してたら危ないっすよ!」
「大丈夫大丈夫! 多分その内攻撃を止めてくれる筈―――」
なのはが自身満々に答えていた矢先の事だった。突然軍艦から轟音と黒煙が巻き起こる。そして、それと同時に甲板に直撃する砲弾。
激しい爆発と轟音と黒煙が甲板を覆い尽くす。黒煙が晴れた後、其処には煤だらけになり顔中真っ黒になったなのはとまた子、そして武市や他の攘夷志士達の姿が其処にあった。
「あっれぇ〜、おかしいなぁ? 皆そんなに
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