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駄目親父としっかり娘の珍道中
第73話 愛車の手入れは自分でやろう
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距離だった。
 まさか、目測を誤ったのでは? 不安が鉄子の脳裏を掛け廻った刹那だった。
 突如背後で原付が爆発を起こした。その爆風で二人の体が上空へと持ち上げられていく。そのお陰で難なく偽装船の甲板に取りつく事が出来た。

「あ、危なかった……まさか、爆発の爆風も計算に入れてたなんて」
「へっ、ったりめぇだろ? 俺はジャンプの主人公だぜ。この程度の計算なんざ朝飯前だってんだよ」

 余裕綽綽で答える銀時。だが、余裕に言っていた時の銀時の顔は物凄い冷や汗で顔面が濡れまくっていたのだが―――




     ***




 桂の手勢による突然の襲撃に会い、高杉一派は今混乱の最中にあった。船内を大勢の浪人達が右往左往している光景が見えていた。
 そんな光景を見て、また子は怒りを露わにしていた。こんな面倒事に巻き込まれてしまったのも全てはあの人斬りのせいに他ならない。
 今こちらを攻撃してきている攘夷志士達は皆、あの狂乱の貴公子と呼ばれる桂小太郎の手勢であった。恐らく仇討をしに来たのであろう。
 まぁ、いずれはこうなる事は予想は出来た。しかし時期が早すぎた。まだ紅桜も完全ではないと言うのに―――

「くそっ! 似蔵の奴―――」
「弱りましたねぇ、このままだとこちらも危ういでしょうねぇ」

 いきり立つまた子の横で武市はさも落ち着いた口調をしていた。まぁ、そんな口調をするのは何時もの事なのだが。今はそんな事に一々気に掛けてる場合ではない。如何にしてこの状況を退けるかが最重要であった。
 だが、生憎この船は世間の目を欺く為の偽装船として作られている為に主だった武装は備わってはおらず、迎撃の手段はほぼ無いに等しかった。それに逃げようにもこんな大型船では脚が遅い。逃げようとした所で後ろから狙い撃ちされてしまう。果たしてどうした物か―――

「武市先輩、何か秘策とか無いんすか? こう言う時の策士じゃないんすかぁ?」
「そう言われましてもねぇ……私の予定には彼らの襲撃は予定されてませんので何も考えてませんのが現状だったりします」
「それでも策士っすか!?」
「お黙りなさい! 貴方もたまには何か考えたらどうですか? あ、無理でしたね。貴方そう言う考える頭ないんでしたもんね」
「今、さり気なく私の事馬鹿にしたっすよね。頭ぶち抜くっすよ先輩!」

 仕舞いには落ち着いていたまた子や武市の両名ですら激しい口論を始めてしまう始末。この二人が一旦こじれだすと最早周りではどうする事も出来ない。下手に止めに入ったらそれこそ巻き添えを食らってしまうからだ。
 なので、例え喧しかろうとそんな二人を無視して通り過ぎる他ないのが現状だったりする。

「まぁまぁ二人とも、此処は一旦落ち着こうじゃない」

 が、そんな二人の
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