第73話 愛車の手入れは自分でやろう
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たらこれを使えば或いは。
「うし、乗れ鉄子! こいつ使って一気にあれに乗り込むぞ!」
「わ、分かった!」
この場合はもうこれに縋るしかない。そう思い、改めて原付に乗り込む二人。
「頼むぜじじい! 江戸一番のからくり技師の腕前、見せてやれぇ!」
渾身の力でボタンをプッシュ! 果たしてどうなる?
緊張が走る両者。そんな二人に何処か聞きなれたアナウンスが流れだす。
【ピンポンパンポン。あぁ、お電話有難うございます。こちらチャーシュー麺です】
「只の出前だったああああああああああ!」
散々期待した自分がまるでピエロのように思えた。恥ずかしさの余りハンドルの上に突伏してしまう銀時。そりゃそうだろ。散々主人公だのアニメだの定義など語った挙句逆転フラグまで立ち上げといて結果がこれなんだから。
「あの、銀時?」
「もうやだ! 何で俺ばっか何時もこんな扱いなの? 他の漫画の主人公みたいにかっこよく決めさせろよ! 何だってこう一番目立てる場面でこんなオチなんて用意してんだよあのクソジジイ―――」
と、鉄子の前で銀時は意味不明な言葉を叫びながら激しく落胆していた。そんな銀時に対し、どんな言葉を掛けてやれば良いのか心底困ってしまった鉄子。時間だけが空しく過ぎ去って行くのが感覚的に理解出来た。
【……ってのは冗談だ。そんな事よりもだ、銀の字よ。とうとうこのボタンを押しちまったようだな】
「あん? まだ続きあんのか」
突如源外の声が聞こえてくる。だが、通信ではないようだ。恐らく予め録音していたのであろう。こんな無駄な事に手を出す暇があるなら何かしら装備でもつけてくれれば良かったのに。
【こんな無駄な装備つける位ならほかの奴つけとけば良かった。今は反省している(てへぺろっ】
「只の懺悔じゃねぇか! しかも反省してる感が全く感じられねぇんだけど! なんだよてへぺろって! ちっとも可愛くねぇんだよクサレジジイ!」
【まぁ、前置きは置いといてだ。このボタンを押した事によりお前のバイクは別形態へと変形する。いわば変形スイッチだ。因みにこの変形は一回きりだから押す時は良く考えてから押せよ】
「おっ! 何だよあのじじい。ちゃんとそう言う措置してくれてんじゃねぇか」
怒ったり泣いたり笑ったりと、忙しい銀時である。
「それで、これを使えば兄者の元へ行けるのか?」
「多分な。頼むぜじじい。江戸一番のからくり技師の腕前ってのを見せてくれよ!」
銀時の表情がいきいきとしだす。いよいよ自分が主人公として目立てる時が来た。このままの勢いで偽装船に乗り込めばきっと周りから「来た! メイン主人公来た!」とか「これで勝つる!」とか言われるのは目に見えて明らかと言えた。
渾身の力を込めてアクセルのグ
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