本気の手助け。失いたくない物の為に
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らえますか?
すこし相談と、聞きたいことがあるので」
「うん。じゃあ鍵はここに置いておくね?また明日」
「はい。さようなら」
城廻先輩は退室していき、俺は一人会議室に残る。
直ぐ様wordを開いて必要事項を打ち込む。
プリンターを接続して印刷を開始してからまた仕事に戻る。
この用紙が、この状況を打破する唯一のカードだ。
雪ノ下は家でも作業をしていることだろう。アイツはそういうやつだ。
少しでもアイツの負担を無くすためにも、俺は……………?
何で、何で俺は雪ノ下をこんなに考えるんだ?
雪ノ下からしてもそんなものは迷惑で、俺からしても心配なだけの筈なのに…。
対抗心?いや、違う。向上心?対立?貢献?………違う。これは怒りだ。
誰でもないあの相模に対しての隠しきれない怒り。
「失礼するよ。
城廻から聞いてきたんだが、何かあったかね?」
ビクッと肩を震わせて会議室の入り口を見れば平塚先生がそこにいた。
「いえ、先生に聞きたいことと、許可を頂きたくて」
「……ふむ。見せて貰えるか?」
俺は無言で用紙を渡す。
これが通ればこれ以上の危険は無くなるだろう。
「鳴滝。これは何のつもりかね?」
「は?」
平塚先生は俺が渡した用紙を俺の目の前につきだして見せる。
内容はいたって簡単。先程まで俺が考えていたことが文章化されていた。
どうやら無意識の内に印刷までしていたようだ。
「んなぁ!?ちょ!返してください!」
俺は焦って取り返そうとするが、平塚先生はその場を飛び退いて距離をとる。
「あっははは!まさか君がねぇ?
いやいやしかし、あはははは!」
「見てもらいたいのはこっちの用紙!ほら返して!」
「まぁこの用紙は私が預かっておこう」
「くっ!弱みを握るとは…!」
俺は机を滑らせて用紙を送る。
平塚先生はその紙を見て真剣な顔に変わった。
「私の記憶上、この紙には不備がある。
この事事態には反対するつもりもないよ。たが、この事は私のサインだけでは足りないんだ」
…そうなのか。
てっきり先生の了承さえあれば大丈夫かと思ったんだけど。
「必要なのは後3つ。生徒会長の城廻、副委員長の雪ノ下、委員長の相模。
この3人のサインがなければこの用紙は効果を発揮しない」
「……一応書き換えて明日聞いてみます」
「そうしたまえ」
平塚先生は素早く訂正し、プリントした紙にサインをくれた。
「しかし君はキーボードを叩くのが早いな?」
「まぁ、慣れてますから」
「そうか。しかし、あまりパソコンばかりに目を向けていては視力が落ちるぞ?」
「生憎と、俺の視力は2.0なんで。直ぐに下がるわけでもないでしょう」
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