第十二幕その四
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「それと苺もオレンジも」
「そちらもですね」
「普通にイギリスのもの以上よ」
「どれも普通にスーパーで売っているものです」
「ここまでのものが普通に食べられるなんてね」
それこそとです、サラは感嘆の言葉で述べました。
「日本人は何と幸せなのかしら」
「ティーセットはイギリスものだけれど」
先生も言います。
「日本のものの方が美味しいね」
「お茶やお菓子だけでなくてね」
「お水が違うね」
「それが一番大きいわね」
そのお茶を飲みながらの言葉です。
「日本のお水はいいわ」
「特にこの神戸はね」
「六甲ね」
「知ってるんだ」
「何度も日本に来ているからね」
六甲のお水のことも聞いているというのです。
「聞いてるしね」
「飲んでもみたのかな、実際に」
「美味しいわね」
これがサラの返答でした。
「確かに」
「うん、それに日本だと硬水もね」
こちらのお水もです、イギリスのお水はこちらです。
「味が違うね」
「日本のお水は違うわ」
「質がね」
「お茶も結局はお水なのよ」
それ次第というのです。
「味がね」
「それで日本のお茶はだね」
「イギリスのものよりも美味しいのよ」
「そういうことになるね」
「だから私いつも楽しみにしてるのよ」
「日本に来た時は?」
「ええ、日本のお茶を飲むことをね」
まさにです、このことをというのです。
「楽しみにしてるのよ」
「ティーセットもだしね」
「主人の会社日本茶も扱ってるでしょ」
「最近そっちも売れているんだね」
「ええ、ただイギリスのお水に合わせてね」
その日本茶をというのです。
「ちゃんと変えているわ」
「さもないと売れないんだね」
「イギリスのお水にはそれに合うお茶があるのよ」
日本茶でもというのです。
「だからそのことを考えてね」
「そうしてなんだ」
「ちゃんと売ってるのよ」
「それで売れてるんだね」
「そうなのよ、ビジネスはそこまで考えないとね」
「そういえば日本の製品が売れるのは」
「そこよ」
まさにそこにあるというのです、サラはお兄さんにはっきりと言いました。
「日本人はものを売る先のこともちゃんと調べてね」
「そのうえでものを売ってるからだね」
「ここまでになったのよ」
「今じゃイギリス以上の豊かさだね」
「多分最盛期の我が国以上じゃないかしら」
日本の豊かさはというのです。
「今の日本のそれはね」
「そうなったのもだね」
「売り先のことを調べてね」
「それからそこに合うものを売ってきたからだね」
「それでものが売れてね」
そうしてというのです。
「ここまでになったのよ」
「頭がいいね、日本人は」
「ちょっと発想が違うわね」
「ただいいものを売る
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ