初陣とか言っても実際やる事は変わりませんがご了承ください
U打つ
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「 短かったですか? 」
「 いいえ、そんなことは無かったですよ。 ・・・ただ 」
「 ただ? 」
「 ただ、もう帰ってこないかもしれません 」
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4日前。僕らは大学を卒業した。
僕らとは言っているが実際は一人、ひとりきりだ。
しかし当然の事ながら、卒業生が僕一人というわけではない。
僕の身の回りにいた友人、友人にすらなれずに違う道を歩きはじめる人。
誰しもが自分の将来を見つめていた。
「 ひとつお聞きしたいことがあるんですが 」
「 はい? 」
「 社会人になっても、この生活は続くんですよね? 」
続くんですか?ではなく、続くんですよね?・・・と、若干のあきらめと
少しばかりの覚悟を孕んだ言い方に、女神の表情がほんの少し曇った。
「 ・・・嫌、でしたか? 」
「 いえいえ、そんなことは・・・少しだけ 」
「 そうですか 」
目の前の女神様のテンションが全力で下降を始めたのを感じ、すかさず
フォローに入る。
「 でも命を延ばして頂いた事は感謝しています。延ばしたというか、
結果論になってしまうのかもしれませんが・・・ 」
「 いいえ、そこは感謝していただく必要はありません。私が自分に
都合のいいようにあなたの人生を改変してしまったことには変わりないの
ですから 」
「 心の底からそう思えるなら、どれだけ楽になれるでしょうか・・・ 」
「 はい? 今なんと? 」
「 誰しもが悩みを持っているという事ですよ 」
「 私も・・・ですか? 」
「 自分の悩みに気付けないことがいい事なのか、そうじゃないのか・・・
僕は結論を出しかねますが、やはり何でも出来る事に越したことは
ないんじゃないですかね 」
「 つまり、自分の都合のいい事には気付いてそうでない事からは
目を背けるという事ですか? 」
女神の懐疑的な視線に射抜かれ、言葉を重ねる
「 いえ、そうではありません。あくまで僕の主観による話にはなりますが
分からないほうが、気付かないほうがいい事なんてこの世には数え切れない
程に存在していると思います。 」
「 はい 」
「 僕だってそうです。自分では分かっていても、僕の知らない所で
誰かが僕の為に働いているかもしれないし、逆の可能性もあります。
ほとんどの場合、自分の考えている事は自分以外の誰かも考えています。
物事の判断基準を自分のみではなく、自分を取り巻く周囲の環境ごととして
考える事ができるようになれば、その場においての自分の言動や
最適な判断が自然と見えてくると僕は思っています。
・・・まぁ、今それが出来ているかと言われると、なんとも言えな
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