四十八話:約束の地、呪われた宿命
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ガーも利用して殺しかねない。思えば、ユリウスがビズリーにルドガーの事がばれたときに本気で殺しにかかったのはルドガーを利用されて殺されるのを防ぐためだったのだろう。自分の母親の二の舞にはさせないように。
『それが原因で、長男は実家を飛び出し、別の家族ごっこを始めたとか』
『お前に何が分かる!』
リドウの言葉に激昂して怒鳴りつけるルドガー。産んでくれた母親が違おうと、何かを隠していたとしてもルドガーにとっては大切でかけがえのない家族なのである。しかし、そんなことはリドウにとってはどうでもいいらしく、軽くあしらって話を進める。
『障害になるクロノスをエルの力で殺すんだろうよ。ま、クロノスを倒す程の力を使えば、鍵は間違いなく時歪の因子化するけどね』
『そんなこと、させるか!』
『俺に怒られても……副社長だって、散々あの娘の力を利用してきたクセに』
思わず、リドウに詰め寄ったルドガーだったが、リドウに皮肉を言われて真実であるために言い返せずに悔しそうに俯く。そんな様子にリアスは知らなかったのだからルドガーが悪いのではないと思うが、ルドガーにとっては慰めにもならないであろう。そしてルドガーは直接聞きただそうとGHSを取り出してビズリーにかける。
『ルドガーか?』
『ああ、この世で最低の父親の息子だよ』
『ふっ……怒っているようだな。大方リドウあたりが煽ったのだろう』
流石は社長というべきか、部下の特性をよくわかっていて、すぐに誰がルドガーに真実を教えたのかを悟る。それに対して、まさかこうも簡単にバレるとは思っていなかったのかリドウがバツの悪そうな顔をしてルドガーから目を逸らす。
『騙したのは悪かった。だが、わかってくれ。これは人間だけの世界を作るために必要な犠牲なのだ』
『ふざけるなっ! 何の罪もないエルが犠牲になるなんて冗談じゃない!』
『……我が一族は二千年もそういう犠牲を払い続けてきた。だが、それも最後だ』
最後だと答えるビズリーの声には万感の思いが込められていた。やっと、一族が呪いから解き放たれるのだと喜んでいるようでもあった。だが、ルドガーにとってはそんなことはどうでもいい。彼にとって何よりも大事な物はエルなのだから
『私は審判を超え、その願いで、精霊から意思を奪い去る。奴等を人間に従う道具にするのだ。心配はいらん。分史世界も、奴等を利用して消滅させる』
そんなビズリーの言葉に黒歌達は思わず息をのむ。ビズリーの真の目的は精霊から意思を奪い去ることだったのだ。それは、長年苦しめられてきた精霊への復讐のためだろう。ビズリーは世界を救おうとしているがそれはあくまでも人間主体としてだったのだ。そんな
事
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