四十八話:約束の地、呪われた宿命
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端を知る。人の愚かさをクロノスは知った。そして人間を信じていたかつてのマクスウェルもそれに失望し、人間を見捨てた。
過去の人間達が見捨てられたのは自業自得だが、その子孫であるルドガー達が巻き込まれるのは馬鹿げていると黒歌達はそう思わざるを得なかった。しかも、今となっては、結局辿り着いても、世界を救うには願いが決まっていて、分史世界の消去を願うしかないという趣味の悪さだ。
〔正史、分史含め、これまでどれ程の人間が時歪の因子と化し破壊されたことか……全時空では、すでに百万に迫っているだろう。私は、この悲劇を止めてみせる。報酬を用意した。後は私に任せろ。お前の世代に伝える世界は、私が整える〕
最後にビズリーが使命感に満ちた言葉をルドガーに伝えて、そこでビデオレターは終わった。話の余りの壮大さにルドガーが何も言えなくなっていた所にノヴァから借金の取り立てをしなくてよくなったと電話がかかって来る。要するにクランスピア社の圧力で踏み倒したのである。ノヴァはルドガーが犯罪でもしたのかと聞いてきたがルドガーはそれを無視してGHSを切る。
『……ビズリーはカナンの地に向かったのか?』
『はい』
ミラの質問に答えるヴェルだったがその次に聞かれたカナンの地への入り方には一切知らないとシラを切って会議が始まると言って立ち去ろうとするが、そんな努力をぶち壊す言葉をリドウがどういう目的か発する。
『社長。エルを利用してクロノスを殺すつもりなんじゃないかなぁ〜?』
『エルだと!?』
その言葉にヴェルは咎めるようにリドウを見て、ルドガー達はその真意を問いただす為にリドウを睨みつけるが、それ以上言う気はないのかリドウは、お客さんはお帰りだと言ってエージェント達にジュードとミラを追い出させる。その後、一人、ルルと共に残されたルドガーはリドウに真実を聞くために社内を捜し、リドウを見つけ出す。
『先ほどは失礼を。何か御用ですか、副社長?』
『さっきの話の続きを聞かせろ』
『……エルがクルスニクの鍵だとは?』
『知っている』
少しルドガーを茶化していたリドウだったが、ビズリーの思惑通りに進ませるのは気に入らなかったのか、それとも真実を伝えた方が面白いと思ったのか話し始める。
『クルスニクの鍵は、審判を超える為に大精霊オリジンの力を与えられた切り札。社長の殺された奥さんがそれだったんだけど……あぁ、副社長のじゃない方ね』
『……つまりは兄さんの母親か』
『昔、社長が対クロノス戦で利用したせいで死んだらしいですよ』
その言葉に黒歌達はゾッとする。ビズリーという男は自分の妻すら道具として使うのだ。つまりは、必要であれば息子のユリウスやルド
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