四十八話:約束の地、呪われた宿命
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さにヴァーリはクロノスの力を改めて侮れないものだと再確認する。
『他愛もない。かわせたのはお前たちだけか』
そして四人とクロノスの戦闘は始まる。四人は何とかクロノスと渡り合い、ダメージを与えることには成功するがクロノスの方はどこまでも余裕の表情を浮かべていた。
『そろそろ思い知ってもらおうか。我が何の精霊かをな』
そう言って円盤を飛ばして来るクロノスだったが、ルドガー達は怯むことなくその円盤を弾き返し、クロノスの元に飛び込み、四人で同時にその体を串刺しにし、その体からは血が噴き出す。人であれば間違いなく致命傷、下手すれば即死の攻撃だ。しかし、美候にはどうもワザとくらったようにしか見えなかった。その予感通り、クロノスはゆっくりと体を持ち上げて口を開く。
『怯えるのはこれからだ』
そう口にしたクロノスの背に巨大な歯車が展開され時計の様な術式が映し出される。そして光放ちながら致命傷クラスの傷を一瞬で治していく。
『何と言う回復力だ』
『回復ではない。時間を巻き戻したのだ』
『時間!? まさかお前は―――』
「時間を巻き戻すって……僕の力よりもすっごく強いですうぅぅ」
クロノスの言葉に同じ時を操る能力を持つギャスパーがその異常な力に畏怖する。巻き戻すという事は傷だけでなく体力も元に戻るという事なのだ。はっきりいってそんな相手と戦って勝てる見込みはまず無い。
『我はクロノス。時空を司る大精霊だ』
そして勝負は振り出しに戻されてしまう。いや、体力を消費したルドガー達にとっては不利な状態で再び始まったのだ。そして、ルドガー達が一定のダメージを与えたら、再び時間を巻き戻すということをクロノスは繰り返していく。その様は反則技としか言いようがなかったが現実にそれが行われているのだ。しかし、ルドガー達も諦めることなく戦い続ける。
『なるほど。カナンの地を出現させるだけの力はもっているようだな。やはり醜悪だ』
『また、時間を戻したか!』
『こんなの反則でしょ!』
『念入りに命の時を止めるとしよう』
そしてクロノスが止めとばかりにルドガーに突進してきた時、エルがルドガーの名前を叫びながら走って来て、ルドガーの前で両手を広げて盾になる。それに対してクロノスは結界術がもう切れたことに驚き、手を止める。
『どけ』
『絶対、やだっ!』
『二度は言わぬ』
『どかないよ、ルドガーは……エルの……』
意地でもどかないエルに対してクロノスは子供だからと言って容赦することもなく精霊術を発動しようとする。そんな姿に祐斗が逃げろ、と思うが、次の瞬間にはルドガーとエルの前にはある一人の男が現れる。
『た
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