四十八話:約束の地、呪われた宿命
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『貴様こそ、やめておけ。時歪の因子化したくはあるまい』
『時歪の因子を作っていたのはあなたではなかったんですね』
『我はクルスニクの一族に骸殻の力を与えただけ。時歪の因子とは、奴らが我欲に溺れ、力を使い果たした姿だ』
クロノスの言う通り、分史世界を創り出していたのは他ならぬクルスニク一族だったのである。そして、かつては現在のルドガーのように世界の為に骸殻を使っていたのではなくまさに我欲に溺れて骸殻を使う者がほとんどであったのだ。
始祖、ミラ・クルスニクはまだ協力して審判を越えようとしたが欲に目を眩んだ者たちに虐げられ、最終的に夫に裏切られ死の淵に追いやられ、死ぬ寸前に史上初の時歪の因子となり『始祖分史』となったのである。そんな様子を見ていたクロノスは早々に人間を見限ったのである。
『分史世界を偽物として消去してきた貴様が、真実を知らぬとはな。一体、何をもって真贋を見定めて来たのだ?』
クロノスの言葉に何も言い返せないルドガー。そして、クロノスはそんな様子を見ながら人間とは愚かだと言い、オリジンの審判を待つ必要もないと断言し、ユリウスを痛めつける様に手をさらに踏みにじる。
『ぐううっ……! 逃げろ、ルドガー……』
自分が危機的状態であるにもかかわらず、弟の心配をして逃げるように言うユリウス。そのようすにアーサーはいかなる世界でもユリウスという男はルドガーを大切にしているのだと尊敬にも似た感情を抱いてしまう。しかし、ルドガーは直ぐにユリウスを助けるためにクロノスに斬りかかる。ルフェイは自分でもああするだろうなと思いアーサーを見る。そんな視線に気づいたのかアーサーは若干、決まりの悪そうな顔をする。
『愚かにして未熟』
『なんで、変身しないの……!?』
骸殻を使わないルドガーにエルがそんな叫びをあげる。しかし、ルドガーは意地でも使うつもりはない。エルをこれ以上、絶対に傷つけるわけにはいかないと決めているからである。
『もう骸殻は使うな、ルドガー!』
そう叫びながらユリウスがルドガーを庇うように前に出る。そして、人間はしぶといなと言うクロノスに対して自分は骸殻を使い斬りかかるが軽々しく避けられる。クロノスは醜悪極まると吐き捨てビットの様な円盤を飛ばして来る。それに反応したユリウスが全員に逃げろと警告するが、エルが逃げ遅れて円盤に囲まれてしまう。ルドガーはすぐにかけつけようとするがユリウスに弾き飛ばされて庇われてしまう。
『きゃぁぁぁぁぁ!!』
そして、ルドガー、ミラ、ミュゼ、そしてガイアス以外が結界術により閉じ込められてしまう。その余りの手際の良
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