四十八話:約束の地、呪われた宿命
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のお前なんだな?』
『そう、俺の仕事……あなたの巫女として失敗した、俺の生き方です!』
厳しい表情で見つめて来るミラに対してイバルがそう宣言する。恐らくは彼なりにケジメをつけようとしているのだろう。その覚悟を感じ取ったのかミラは剣を引き抜きイバルへと突き付ける。ミラもまたケジメをつけようとしているのだ。
『わかった。ならば、私も全身全霊で相手をするだけだ』
かつての主と従者がぶつかり合う。
『たった二人では俺達を止められんぞ』
『そうとも限らないのさ、ガイアス王』
ガイアスの言葉にリドウは自分の心臓を指差しながら。子供の頃、難病を患ったために、マティス、つまりはジュードの父親であるディラックに施術してもらい、おかげで命は助かったが、その時からいくつかの内蔵は黒匣で出来ていると話す。
『俺はその黒匣をさらに改造したんだ。身体能力を倍に引き上げるように』
『体が持つのか!?』
『勿論、持たない。だが、持っている間にお前らをぶっ潰せばオーケーだろ』
ミラの言葉にそう言って、リドウは骸殻を発動させる構えを見せる。そんなリドウにガイアスが何故そこまで自分を追い詰めるのかと聞くがリドウは答えずに骸殻を発動させ叫び声を上げて身体能力を上昇させる。
リドウは叫び声を上げながらイバルと共に襲い掛かって来る。ルドガー達はそれを苦労しながらも何とか倒すことに成功する。崩れ落ちるリドウとイバルを前にミラは通るぞと言い進んで行く。そしてイバルの前で立ち止まる。
『イバル。私はお前の失敗を知っている』
イバルは息を飲み、顔を上げることが出来ない。
『だが、それでお前が私に尽くしてくれた十数年の意味がなくなるわけではない。ありがとう、イバル。感謝している』
その言葉にイバルが驚いて顔を上げる。そんなイバルにミラは優しく微笑みかける。そして、イバルは目に涙を滲ませ、もう一度、深々と頭を下げる。その後、イバルはどこかスッキリとしたかのような顔つきでふらつきながらも帰っていった。そんな様子にゼノヴィアは信じる者に認められてよかったなとイバルを祝福する。
『予言してやるよ、ルドガー……お前はここで止まらなかったことを、死ぬほど後悔するぜ!』
倒れ伏しながら、まるで呪いの言葉をかける様に叫ぶリドウに対して、ルドガーは憐みの視線を向けてから何も言わずに立ち去っていく。その目はユリウスと同じような目でリドウのプライドを激しく傷つけることになるがそんなことをルドガー達は知らない。いや、知ることが出来ないだろう。リドウはこの後すぐに殺されるのだから。
そしてヴァーリはリドウが一体何を言いたかったのかと考えるが直ぐに分かるだろうと考えるのをやめ
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