四十八話:約束の地、呪われた宿命
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そう言ってエージェント達に銃の様な物を構えさせるリドウ。命がかかっているという言葉にヴァーリは眉をひそめる。言葉通りであれば失敗すれば殺されるということだがどうにもその理由が分からなかったのである。ビズリーはむやみに戦力を削るような男には見えないのだ。とにかく、ミュゼがこんな人数で私達を止められるのかと言いながら術を放ったのだが、エージェントが持つ銃に吸収されてしまう。
『それは、まさか!』
『そう、クルスニクの槍だ。携帯版だが、威力は見ての通り、さて、マナを抜かれたマクスウェル様は、どんな喘ぎ声を上げるのかな?』
そんなリドウの言葉に無礼だとイバルが怒鳴り、掴みかかるが、逆に殴られ倒される。そして正論とも言える、上司への礼儀をわきまえろという言葉を吐き捨てるリドウだったがミラがリドウに斬りかかり、術を放つが、クルスニクの槍に阻まれる。
『こんな逃走野郎を助けるとは、お優しいことだ』
『役を解いた覚えはない。イバルは今も私の巫女だ』
『ミラ様……』
ミラのそんな言葉にイバルは感激した面持ちでミラを見つめる。そんな様子にリドウが面白くなさそうにマナと一緒に、そのプライドも剥ぎ取ってやる、と言ってエージェント達にクルスニクの槍を一斉に向けさせる。その絶体絶命の状況にガイアスがルドガーにささやきかける。
『どうする、ルドガー?』
『地下から出られるはずだ』
ルドガーは地下訓練所から街の外に出られると前に聞いたことを思い出してガイアスにそう返す。そして地下まで続くエレベーターをチラリと見る。逃走経路は見つけたが問題はどうやってそこに行くかだ。
『僕が囮になるよ』
ジュードが囮の役目を自らかってでる。そんなジュードに仲間達が激励の言葉を投げかける。それに対して力強く返した後、突如としてジュードが駆け出す。そのことにエージェントがつられて、クルスニクの槍を放つ。その隙をついてルドガー達はエレベーターに向かう。イッセーはジュードの無事を祈りながらルドガー達について行く。
『バカが、陽動だ!』
リドウは気づいたが、ルドガー達は既にエレベーターに乗り込み扉が閉まる直前だった。ジュードは先に行けと言い残してエージェント達を相手にする。ルドガーはそれを苦悶の表情で見送り、先に進む。そして外に続く出口の扉の前に来たとき、扉の前にリドウとイバルが立っていた。
『逃がさないって言ったろ、ルドガー君』
『しつこいぞ、リドウ』
リドウに対してルドガーが苦々しげに吐き捨てる。余裕そうな顔をしているがリドウも必死であることには間違いがないだろう。なぜそこまでするのかはまだ、ルドガー達には分からなかったが。
『イバル。それが今
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